このところ夜半に目覚めることが多い。そんなとき、目を瞑って心の中を巡らすひとときは豊かでもある。
しんしんと降る雪の音が微かに聞こえるような気がする。
それほどの悩みではないが、頭から離れないことはいくつもある。そのまままどろんでいればじきに眠りに就くのだが、ここでラジオのスイッチを入れたり小さなライトを付けたりしてしまうのがいけない。
今朝もさらに覚醒してしまい、仕方なく暗い居間に入りストーブに火を点けた。やがて何事もなかったように白々と障子戸が明るくなる。
窓を開けて雪の降り具合を見る。多少睡眠不足で頭が重くても、厳寒の朝の空気はいつも清々しい。
お茶を入れ、暗いうちに届いた新聞を拡げる。雪が積もれば雪かきに出て市道まで一本、道をつける。そんな、雪の季節の日課だ。
やがて寒さもゆるみ、新しい季節を迎える。