ヒメシロチョウの里の町有地の草原にツルフジバカマの群落が珍しくきれいな花をつけていた。2週間前のことだった。
盛んに産卵を繰り返していた3化のヒメシロチョウ、その産卵風景を何枚も撮った。
その後、9月末に様子を見に行くと、その貴重な草原はすっかり草が刈られていて暗澹たる気持ちになった。
たよりは一番高いところの田の土手と思っていた。そこでは健気なヒメシロチョウが産んだいくつもの卵を見ていた。
しかし、それからまた一週間、もう稲刈りの時期なので草刈りはないだろうと安心していたその土手も、すっかり刈られ、枯れたツルフジバカマが痛ましかった。
何度落胆させられたことか。やりきれない気持ちで農道を下りながら、わずかに点在する刈られていないツルフジバカマにヒメシロチョウの幼虫を丹念に探した。
居た居た!。もう3令になるだろうかヒメシロチョウの幼虫を数頭見つけることが出来た。
頭近くの胴の部分の色がおかしい
こうして、なんとか生き延び、来春姿を見せてくれるのだろうか。 この状況で、ヒメシロチョウの保護は是非必要だと痛感している。
大事な時期に、懸命に産み付けられた卵が、食草の草刈りによってかなりの数失われている。
この草刈りは必要なのだろうか。あらためて、秋の終わり、稲刈りのあとの草刈りの意義を知りたいと思った。
帰路リンゴ園に寄ったが、誰もいない。 真っ赤なリンゴの向こうに少し色づいた磐梯が見えた。
小春日の秋は何日続くことだろうか。