吉野せいを読み 勇気与えられる
先日、福島民友の文化欄(12/6付)で、吉野せいの没後40年記念展が紹介されていた。
今回の企画展は彼女の生涯と作品がで生まれるまでをたどれるもので、彼女の文学の原点となった「日記」が新しく展示紹介されているという。
是非、草野心平記念館へ見に行きたいと思っている。
小名浜生まれのこの作家については数年前まで全く知らなかった。
いつか、吉野せい作品集「洟(はな)をたらした神」を読んだ。 思い出し、再読した。
彼女が70歳を過ぎて筆をとった著作は、昭和初期から戦争をまたぐ時代に歩んだ苛酷な辛い光景が、純粋に強靱に綴られ、すべてが胸に迫り、涙が溢れた。
涙をぬぐいながら思うことは、我々は何と平和な時代に生きているのかとの思いだ。
類い稀な素晴らしい文章表現に感嘆しつつ、命の尊厳や親子の愛、辛かった真実の人生に思いを巡らせ、これではいけないと教えられている。
常に土の匂いのする彼女は「満身風雪をもろに浴びた人生」と語った。
目を閉じて、作家を思い、なぜか勇気を与えられている。
吉野せい http://www.asahi-net.or.jp/~pb5h-ootk/pages/SAKKA/yo/yoshinosei.html