丁度、詩集「求めない」がベストセラーになっていたころ、中野孝次の著書から加島祥造を知った。
詩集「求めない」の原点は、老子の「足ルヲ知ル」のようだと分かった。
詩集「求めない」は、ひとりの弱い人間の、ときどきの救いとなった。
そしていつも、優しい安寧を与えてくれた。
・ 求めない- すると 心が静かになる
・ 求めない- すると 心が澄んでくる
・ 求めない- すると 時はゆっくり流れはじめる
・ 求めない- すると 自然の流れに任すようになる
・ 求めない- すると 心が晴れてくるのを感じるよ
・ 求めない- すると 自分の声がきこえてくる
・ 求めない- すると 今じゅうぶんに持っていると気付く
・ 求めない- すると 今持っているものがいきいきとしてくる
・ 求めない- すると 悲しみが消えていく
・ 求めない- すると 心に平和が広がる
その後、伊那谷の自然を礼賛する彼の「伊那谷の老子」を読んだ。。
都会育ちであったがゆえに、伊那谷の自然への思いは深かったと思う。
鉄齋の詩「居山豈為山 只愛此中閑」(山ニ居ルハアニ山ノタメナランヤ、タダ此ノ中ノ閑ヲ愛スレバナリ)を挙げ、
「閑」とは己の実在意識を静かに味わう心で、今生きているという意識だと書いていた。
以来、僕も小さな我が家の、小さな自然の中で、日々、「閑」を求めて満足しながら過ごしてきた。
加島さんのご冥福をお祈りします。
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