エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

加島祥造さん逝く

2016-01-08 | 文芸

      
丁度、詩集「求めない」がベストセラーになっていたころ、中野孝次の著書から加島祥造を知った。

詩集「求めない」の原点は、老子の「足ルヲ知ル」のようだと分かった。

詩集「求めない」は、ひとりの弱い人間の、ときどきの救いとなった。

そしていつも、優しい安寧を与えてくれた。

・ 求めない- すると 心が静かになる
・ 求めない- すると 心が澄んでくる
・ 求めない- すると 時はゆっくり流れはじめる
・ 求めない- すると 自然の流れに任すようになる
・ 求めない- すると 心が晴れてくるのを感じるよ
・ 求めない- すると 自分の声がきこえてくる
・ 求めない- すると  今じゅうぶんに持っていると気付く
・ 求めない- すると  今持っているものがいきいきとしてくる 
・ 求めない- すると  悲しみが消えていく
・ 求めない- すると  心に平和が広がる

その後、伊那谷の自然を礼賛する彼の「伊那谷の老子」を読んだ。。

都会育ちであったがゆえに、伊那谷の自然への思いは深かったと思う。

鉄齋の詩「居山豈為山 只愛此中閑」(山ニ居ルハアニ山ノタメナランヤ、タダ此ノ中ノ閑ヲ愛スレバナリ)を挙げ、

「閑」とは己の実在意識を静かに味わう心で、今生きているという意識だと書いていた。

以来、僕も小さな我が家の、小さな自然の中で、日々、「閑」を求めて満足しながら過ごしてきた。
 
加島さんのご冥福をお祈りします。
 
 


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