エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

彩色兵馬俑展

2006-09-01 | 文芸
 江戸東京博物館で開催中の「始皇帝と彩色兵馬俑展-司馬遷「史記」の世界-」で、今回、日本とドイツで世界同時初の公開という、彩色の残る兵馬俑を見てきた。
 展示内容は、司馬遷が著した中国最初の通史「史記」に即し、春秋・戦国時代から前漢・武帝時代(前8世紀~前1世紀)の玉印や鉄剣、装飾品など120件の文物資料などが公開されていた。
 それぞれすばらしい芸術品で、その製作技術に驚かされた。と同時に、始皇帝はもとより、時の権力者が如何に絶大であったことか、その富と栄華に驚いた。
 ○「史記」についてもう少し詳しく学びたいと思った。「臥薪嘗胆」「禍転じて福となす」「背水の陣」「敗軍の将、兵を語らず」などの日常何気なく使われている言葉は、「史記」に記されているものだ。生き方や壮大な歴史についてもう一度学び、日本との深い関わりを見つめたいと思った。 ○兵馬俑湖抗には、9列ある幅3.5mほどの通洞に、4列縦隊で兵俑が並んでいる。兵隊俑の平均身長は1.8m、胴体は空洞、下半身は詰まっていて、顔の表情はそれぞれ異なり、身分によって服装もまちまちであり、いずれも手に武器を握っている。今回展示されているそれらの俑を間近に見て、そのきわめて写実的で一人一人違う個性的な兵士俑の顔に興味がわいた。 ○また、着色の技術について興味をもった。釉薬ではなく、できあがった兵馬俑に生漆と顔料での彩色だ。今、2千数百年の時を経て色褪せてしまった兵馬俑の、当時の鮮やかな彩色を想像した。会場で見た「バーチャルリアリティー・シアター」で、極彩色だった兵馬俑軍団をCGで再現されていた。
 一つ一つ異る兵や馬の衣装や表情の一端を見ることができたが、ただひたすら整列する何千体もの人形を、実際に眺めてみたいと思った。そのスケールの大きさは感動そのものだろう。中国旅行をして、まず西安の兵馬俑抗を見てみたい。今回の展示を見てますますその思いを強くした。その前に、中国の歴史をしっかり勉強したいと思っている。

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  時を同じくして、先日(8/20 8:00~)、NHKで、探検ロマン世界遺産「希代のカリスマ 果てなき野望~中国・始皇帝陵と兵馬俑坑~」の放送を見た。
【番組の解説】
<20世紀最大の考古学的発見>といわれる地下軍団・兵馬俑。1974年に中国・西安郊外で偶然見つかった兵馬俑は、中国史上初めて天下を統一した秦の始皇帝の絶大な権力を示すものと考えられてきた。しかし近年の調査によって、始皇帝が「地下帝国」ともいえる壮大な死後の世界を築こうとしていたこと、そして8千体の兵馬俑もまたその一部にすぎないことも明らかになってきた。近年、中国調査団による初の科学地質調査が行われ、陵墓の地下に巨大な空洞があること、水銀の反応があることなどが確認された。司馬遷の『史記』の記述だけで伝説の存在だった地下宮殿が実在する可能性が高まった。さらに陵墓周辺にもこれまで予想もされなかった施設がちりばめられていたことも明らかになった。強大な軍事力とカリスマ性によって君臨したファーストエンペラー・始皇帝。世界最大の墳墓<始皇帝陵>、史上最大の建造物<万里の長城>、そして未完に終わった巨大宮殿<阿房宮>など、桁外れのスケールの大事業を次々と手がけた始皇帝は、現在に至る巨大国家「中国」の礎を築いた。なぜ辺境の一小国にすぎなかった秦が中国を統一できたのか?伝説の巨大地下宮殿は果たして実在するのか?最新の発掘調査をもとに、悠久の大地に眠る中国の歴史ロマンに迫る。リポーターは、鎌倉千秋アナウンサー。
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 【1号兵馬俑の一部】  
 (兵士俑8,000体、馬俑600体が埋葬されている)

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