エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

緩やかな自然感じ憩いの時

2006-07-08 | エッセイ
 屋久杉の推定樹齢は数千年と聞くが、樹木の寿命はどれくらいなのだろうか。
 「ゾウの時間とネズミの時間」の違いはわかるが、それは植物にも当てはまるのだろうか。気の遠くなるような時間をゆったりと生きている木々が羨ましく感じられる。それはあわただしく過ぎゆく日々を惜しみ、ふとそんな時間を共有したい思いからなのだろう。
 待ちわびた夏ツバキやユリがようやく輝かしくほころび始めた。ついこの間、庭の玉石に雪のように花びらを散らしたバイカウツギも小さな実をつけた。アジサイが梅雨に濡れすがすがしい。焦ることなく、ゆったりと時の流れに身を任せながら息づく緑の生命を思わざるをえない。
 四方の山々の群青色の稜線に、暮れなずむたそがれの空の色が美しい。飽きずに眺める、遠くの山並に白い雲がかすかにたなびいている。一日の救いのひとときだ。緩やかに流れるすべての自然がこの上なくいとおしく感じられてならない。



生き物の時間と世界観を共有
 最近読んだ「ゾウの時間、ネズミの時間」(中公新書 1087 本川達雄著)によると、すべての生き物が一生の間に消費する総エネルギー量はサイズによらず一定だという。当然、寿命が違うので生き物により機敏さが違い、時間の流れる速さが違うことになる。いろいろな謎が解けたような気がした。
 これからは周囲にある生き物それぞれの時間を意識し、共有していきたいと思った。時間が違う生き物の世界観を理解する、そうした新しい視点から小さな自然と付き合い、彼らを尊敬して生活していきたいと考えている。


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