エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

本当の学力

2008-04-04 | 教育を考える
            【もう少し 豊後梅】

 福島民報の論説「学力向上へ奮起を」(4月3日付け)を読んだ。
 県内高校の今春の大学合格者数を考察していた。福島大、東北大、東大などを難関大と呼び、県内の高校からの合格者数を挙げ、大学への進学事情を他県と比較していた。
 学力向上も含めた魅力ある学校づくりが急がれるとはあるが、相変わらずの受験体制下の認識と思いがっかりした。

学力不足が言われ、長い戦後教育の反省からようやく到達したはずの「ゆとり教育」の見直しが打ち出された。学力向上は入試のためであってはならない。その人の人生観、自然観、哲学は、試験の為の知識技術の詰め込みからは生まれない。本当に大切な真の学力や感性、情緒などが、頭と心と身体を統合する学習経験から生まれるものだからだ。
 大切なことは、常に学び続ける意欲、能力であり、社会の変化に主体的に対応できる人間の育成である。多くの弊害を生んだ受験体制社会へ戻ってはならないし、それらに迎合する考えには同調しかねる。

 目にさわやかな雨上がりの蒼い山並に、風に揺れる庭の小さな自然に、さらには文字の連なりからなる一編の詩からも心動かされる。たとえば、生きゆく時間の中でそんな感動こそ人として生きる豊かさの一つに違いない。


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