年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

大正元年10月20日読売新聞

2007年08月01日 | べったら市
大正元年10月20日読売新聞
○恵比寿市(べったら市)の賑わい
△市の初めの大混雑
昨夜のべったら市は晴天に重ねて土曜日とて遅くまで非常の賑わいを呈した。裏通の恵比寿神社では門の所へ奉納手ぬぐいを翻し大伝馬町及び神社の大提灯小提灯を赤々と点じた狭い境内は福を得ようとする参詣人で身動きも出来ず、路地に抜ける出口を急造して潮のような人を吐き出させた。例の浅漬の露店は神社を中心に大伝馬小伝馬町旅篭町鉄炮町人形町通と隙間もなく並び、その間に縁日向きの小間物屋飴屋人形焼豆屋玩具商等が介在し例年より数が多いそうで中にはザル屋ほうき屋宮具の店も見かけたが年の暮れの感が深かった。浅漬売りの景気とてはなく「もってヶ買ってヶ負けちめぇ」と向こう鉢巻が威勢良く買い手より売り手のほうが威張っていた。そうして一本15銭位に吹っかけていたのが五銭前後で手を叩き買った連中は胴長(の大根)を縄で縛ってぶら下げて、小僧連は振り回して歩いていた。
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