「南総里見八犬伝」は鶯亭金升が父長井昌言から与えられ、暗記するほど読みつくした本だった。馬琴のこの小説は中国の水滸伝の影響を受けていたが日本の稗史文化に中身を置き換えた長編小説となっている。
天保水滸伝の飯岡に知行地を持っていた長井家と昌言の実父浦賀奉行戸田氏栄との関係が気になって何か関連があるか今調べている。飯沼助五郎が活躍した時期が天保の改革で東浦賀の干鰯問屋が再建されつつある時期であった。関東における干鰯取引の中心は主産地であった房総に近い浦賀であった。幕末の農村経済が混乱した時期でも東総地方は醤油醸造と江戸への水運、干鰯産業で商品経済が発達していた地域であった。
南北町奉行与力の知行地であった千葉と飯沼を知行地にしていた旗本長井氏、安中藩の大惣代をしていた千葉万歳の花香家はどんな関係が天保のころから幕末にかけて何があったのだろうか。