江戸時代恋愛事情-若衆の恋、町娘の恋・板坂則子著
江戸時代で恋愛など対象の年齢によって変化するとはこの本で理解できる。江戸時代の初期は男色(なんしょく)の時代で中期以後が遊女を中心とした女色のことが文学の主流となる。
さてナタ豆は江戸時代始めに中国から渡来したとされる。何かの効能がある植物であったようだ。ナタ豆の実のサヤの大きさは30センチから50センチにもなるので性的比喩の対象になるとは思えなかったが春画が男根を巨大に描くので比喩としてナタ豆が出てきてもおかしくない。井原西鶴の好色一代男が1682年(天和2年) に刊行されているので、ナタ豆が日本に渡来して色々なところで栽培されていたのだろう。巻二のところでナタ豆が当時は一般的な男色(衆道)のところで出てくる。若者の生え出した陰毛のところとナタ豆の大きさをワザワザ書き加えたと思う国文学者はまだ見つからない。