2001年の初マグロのセリ値「2020万円」はそう簡単には破られることはなかった。1991年(平成3年)から1993年(平成5年)にかけてバブル崩壊し、築地市場が低迷していた。
毎年1月5日は築地・豊洲市場の初市で11時から市場協会の主催で新年賀詞交換会がある。築地の時は勝鬨橋たもとの厚生会館の大きな会議室であった。東京都の会議室はアルコ-ルの出る会議は禁止だった記憶がある。そこで東京都の中央卸売市場の幹部の挨拶があって、これを聞くため、無理して出ていた。市場長から東京都が思っている課題を話すのが通例だった。2000年代からずっと移転問題が出ていた記憶がある。そこで低迷していた売り上げで東京都がイライラしていると感じていた。そんな会合でマグロの初セリを騒いでいた。こちらは青果なのでなかなか話の内容は解らなかったが夕刊で事情を知った。どうやら仲卸同士の意地のぶつけ合いでセリ値が上がったようだった。最近の初セリ騒動のように売り先と談合してセリしているのでなく、本当に商売の意地のぶつけ合いだった。当然2000万円のマグロは通常の売値でしか売れず、風の噂だとセリ落とした仲卸は消えたという。
来年の初セリは三密を避けるため、報道機関の数も制限され、事前に東京都から撮影時間とかの文書が回ってくる。賀詞交歓会も形式となる気がする。中止もあるだろう。量販店の元日休みが増えた結果、12月31日は近来になく静かな市場となる気がする。築地場外市場の大混雑はコロナでどうなるのだろうか。何か帰省できないので築地の寿司を食べにくる人が多いと思う。