今度の仮住まいとなる木造の古い家には、借家火災保険を付けるという条件が付いている。その条件のことで不動産の契約担当者から説明があって、補償内容が物足りないので、家財の保険を増額してもらった。過去の火災保険の経験で、火事だけでない損害があることを知っていた。
築地に勤めていた時、一時的に都内に倉庫を借りることがあった。東京都に申請を出し、許可をもらった。そんな半年から一年程度借りる予定の倉庫でも火災が出れば重大な経営問題になるので火災保険をかけた。損害保険料は5000円程度だった。半年ほど経って、電車が豪雨で止まるくらいの梅雨末期の雷雨があった。その雷雨で業務用冷蔵庫が落雷で破損した。そこで保険会社に連絡し、被害の状況の写真を撮ってもらい修理をした。あとで無事に数万円の保険金を給付された。会社では一時的な倉庫で損害保険をかけると最初は馬鹿にされたがあとでは(保険金予知者)と思われたようだ。保険は事故の予想で、事故が起きた時どのような仕事上の不都合を考えるべきだろう。多くの火災保険料は無駄な掛け捨てと思うが、苦しい時にケチるといざ事故が起きると悲惨な目に合う。今まで運のよい人生とは思えないが保険金ではずいぶん助かった。
不動産会社の担当者が言うには契約者が保険を増額した例が無い様だった。でも支払うのだから十分吟味しないといけないし、二年間の火災保険であっても一日の保険料の増額は10円にも足りない金額で安心を買える。心に余裕があれば顔は穏やかになる。
豊洲へ移転する時、東京都から倉庫の申請があって、廃止の申請がないと指摘され、終了届を出した。これは苦い思い出である。多くの役所の仕事は丁寧であって、クレ-ム報道だけが目立っているが世間が平穏なのは第一線の公務員の功績と思っている。タダいつも公務員が暇そうに見えるのが不憫である。築地の食事故は報道されると日本中の食を不安にさせる。先輩が天下の築地と言っていたことを思い出す。衣食足りて礼節を知る。