英語を勉強していた時、気になることわざがあった。
【最後の藁(わら)一本がラクダの背を折る】
It is the last straw that breaks the camel's back.
限界まで荷物を積んだラクダは最後の一本の藁でも骨を折る。
ようやくコロナも収束しそうで喜んでいたら、築地働いていた時からギリギリの経営状態の漬物業者が5月末で事業継続を断念した様だ。給付金でしのいでいてもいつかは過去の借り入れの返済猶予が終わる。過去の経験では4月から青果物が安くなって浅漬の採算が採れるようになるのだが、量販店の価格交渉力が弱く、今年は青果物が高いので漬物の特売企画が頻発する。付加価値の少ないので利益がなくてもパ-トの仕事を確保するため、特売企画を受けてしまったようだ。今年のインフレはデフレ時の経験のないインフレで、さらにロシアの戦争が加わると先が見えない。昔は同業者の倒産は夜逃げが目立ったが今は弁護士が入って、粛々と清算に入る。地方の漬物業者の倒産は土地価格が安く、建物を解体する費用が高く、そのまま幽霊工場になると予想する。塩分の多い仕事ゆえ、金属部分から腐食してゆく。
悲しいけれど時代の変化に対応する企業が残っていく。時には復活もあるが一時と知っておくべきだろう。塩麹ブ-ムも去って、今も売り場に微かにの残る。食品のブ-ムはうたかたの夢、記録がなければ記憶から消える。