天気予報では雨模様で普通なら自宅蟄居となるのだがコロナのマスク着用の自主規制ということの反応を観たかったので、外出強行。さてどこに行くかと思案していて、国立劇場で歌舞伎公演の待機時間に国立演芸場があって、ちらほら観客の出入りがあって気になっていた。数日前からチケットの予約状況をチェックしていたら14日以降は結構混んでいて、比較的に月曜日は中央の席を除くと空いていた。不思議な予約状況でそもそも落語のようなものはテレビでしか見ていないので雰囲気も知りたかった。
JR新橋駅の銀座口のバス停から小滝橋車庫行に乘る。時刻表だとほぼ30分に一度の便の様だ。11時36分発に乗り、国会議場前のバス停で降りる。慣れない初乗車時に国会の正門過ぎて止まるので不安だった。そこから歩いて三宅坂に向かったのが最初の歌舞伎鑑賞。2回目は永田町駅から国立劇場の後ろから正面に回る。3回目の昨日は後ろから直接国立演芸場に入る。11時55分にチケット購入。チケットの説明で本日の公演では一部の人の変更があるという。なにせ初心者なので何を説明されたか判らない。そこで例によって前の方の席を見ると空席状況が解かる。前列3-3の席で中央の部分はほぼ満席。左右の席は比較的すいている。荷物の絡みで隣が空くように席の選択。
始まり12時45分 前座というべき若手女子ののような落語者。それから15分ごとに演者が変わる。休憩15分あってそれからまた15分ごとに演者が変わる。
講談で水戸黄門の米俵に腰かけた話で長い間探していた状況が解かって涙が落ちた。多分観客で涙したのは自分だけだろう。この話は戦前では庶民の常識でコメが日本で一番大切な食料だった。それに腰かけていた老人を咎め火打ち竹で額をたたいた。これは大切な上納のためのコメで腰かけるとは何事かといった。戦前はコメに対する感覚は今と異なり貴重品だった。
国立演芸場の観客は多分コメ不足の時代を知っていると思われるが大学生は水戸黄門を知らないという人もあるそうだ。当然米俵の腰掛も知らない。ネットで検索してもあまり出ないし出ているのを見ても納得がいかない。さすがに講談の女性演者の話はよくわかって、涙した。
最後は落語家さんでどうやら埼玉県春日部市出身の様だ。クレヨンしんちゃんの街でもある。
ところが家に帰って劇場で配布されていた出演者一覧になかった。例によって小さな字で番組・出演者の一部変更の際はご了承下さいとあった。これが演芸鑑賞の常識の様だ。切れやすい高齢男子観客がおとなしいのは不思議。
料金、普通2200円、シルバ-1600円 なんだかんだで3時間の暇つぶし。
帰りは半蔵門駅から切符で170円で神保町まで、都営に乗り換える。国立劇場の演芸観客は他の浅草・池袋・新宿の演芸場と異なるという。何せ隣は最高裁判所・国会・国会図書館である。東京の超上級国民の見る演芸場と言われた気がする。
初代国立演芸場さよなら公演
3月 定席公演(中席) 3月11日より。