『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、
周りに笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

思いを寄せていた雲上人

2010年12月15日 | Weblog
2年前に、中学校の同窓生と偶然、インターネット上で遭遇し
僕が行方不明者として扱われていた同窓会がある事を聞いて、
約37年ぶりに同窓会へ参加した。
中学校時代の自分は、あまり存在感がない人間だったと思っていたのだが
意に反して会場へ行ったら、
『おぉ、やっと現れたか・・・お前が居ないと、何か物足りなかった』と
仲の良かった大勢の仲間から言われて驚いたのがついこの間みたい。

そんなことも有って、その年の暮れには何故か僕が幹事になっていた。
各クラスから3名ずつ幹事が出て、年末に幹事会と称した忘年会を開き
その場で年賀状発送の仕分けをして解散するんだけれど、
今回はクラスの35名分を僕が一人で書くといって預かってきた。

名簿を確認しながら、宛名を書き終えたのが昨日。
それで名簿を見直していたら、僕のクラスの裏側に隣のクラスの名簿が書いてあって
何気なくそれに目を通していたら、『おやっ?』
っと、思う女性の名前が書いてあってちょっと驚いた。

というのも、その女性は自分の記憶の中では学年で一番の美人で
僕の頭にあるイメージは昨年引退してしまった女優の「桜井幸子」。
聡明で、清楚な感じのあのイメージで僕の中で止まっている。
そんなわけだから当然、男子生徒の中ではいつも話題になっていて
ひそかに僕が思いを寄せていた雲上人でもあったのです。

彼女は校舎の一階にあった隣のクラスで、いつもベランダに出て
校庭の運動部の部活動を遠くを眺めるように、見ている印象だった。
当時、サッカーが盛んな西東京市(旧保谷市)では部活の花形はサッカー部。
対して僕は、弱い野球部の一員で校庭の片隅に追いやられていた。

ある時、夕方の練習前に、教室で着替えてベランダから校庭に出る際に
ベランダにたたずんでいた彼女が僕に話しかけてきた。
その時の会話は全く覚えていないのだけれど、それからちょくちょくと
そういった時間が増えて、僕は「もしかして僕を・・・・」なんて、
淡い期待を抱いたりして、仲間に話したんだけれど、
仲間からは「お前なんか対象外だよ」って言われて、妙に納得したり・・・・

そんな事があって、彼女はずっと僕にとって憧れの対象でしか無かった。
けれど、僕が野球の試合の時に、やっぱりいつものように彼女はベランダに居て、
ユニフォームに着替えた僕に『頑張ってね』と、声をかけてくれた。
そして僕がユニフォームに使う太めの革ベルトを忘れた事を話したら、
なんと自分がしている制服の革ベルトをさっと引き抜いて
『これで良かったら使って!』とにっこり笑って渡してくれた。

せっかくベルトを貸してくれたのに、試合の方は
ノーヒットの上に負けてしまい、僕はがっかり。
だけど彼女はそんな試合を最後まで見て待っていてくれて、
ベルトを返した時に、またニッコリ笑って
『惜しかったね』と言い残して帰って行った。
その後、彼女は親の転勤で転校してしまったのだけれど、
何だかその時の彼女の笑顔が、四十年経った今でも、
ずっと忘れられないでいたのです。

幹事をやらなければ、ずっとぞの時のままでいたんだろうけれど
偶然見た年賀状の住所録の裏側に、彼女の名前を見つけて
本当に『嘘だろう・・・』って言う感じだった。

幹事の特権を使うみたいだけれど、クラスも別だったうえに
転校してしまった彼女に、近況を少し報告して年賀状を書いてみた。
コメント
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