『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、
周りに笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

「お袋のホットケーキ」

2010年12月20日 | Weblog
お袋が退院して、自宅で看護を受けるようになって早くも1ヶ月。
この分なら年末は乗り切れるかな?
って、少しでも長く生きてもらいたいと言う気持ちだけれど
本人はどう思ってるのかな?
毎日、嘔吐を繰り返して苦しそうにしているのを見ると、
楽にしてあげたいと言う気持ちが何処か、浮かんできたり・・・・
直接、面倒を見て居る姉貴は、本当は辛いんじゃないかな?

最近はお袋に育てられた時の事を良く思い出す。
僕が生まれた仙台の社員寮では、共同のお風呂とトイレ。
僕は、弟が生まれてから同じ寮に住む人の家で過ごす時間が長くて
特に子供が居なかった人の家では、まるでその家の子供のように
昼寝をしたり、おやつを食べたり・・・・・
昔は、そういう人の繋がりがあって、凄く良い時代だった気がする。

僕がお袋の事を思い出すのは、ホットケーキを焼いてもらった時の事。
その当時は、炊事場も共同だったから部屋の中にあるのは
練炭火鉢くらいのもの。
その火鉢の上にフライパンを置いて、お袋がホットケーキを焼いてくれた。
昔の事だから、今のように綺麗に焼けたものじゃなかったけれど
フライパンの上で、生地からプツプツと気泡が出てきて、
それをフライ返しで裏返して、暫くすると焼きあがるのを横に座って
じっと覗き込みながら、出来上がりを待っていたのを覚えている。

バターを乗せて、昔はメープルシロップではなく蜂蜜を乗せて・・・・
お袋のホットケーキは、今の「ホットケーキミックス」のようなものではなく
ふるいで細かくした小麦粉にベーキングパウダー(膨らし粉って呼んでいた)を混ぜ、
砂糖、タマゴと牛乳を混ぜた生地だったせいか、
ちょっとゴロゴロした感じがあったけれど、僕にとってはお袋の作った物が
一番美味しく感じたし、蜂蜜をたっぷりかけたその甘さが、
子供の僕にとっては凄いご馳走だった。

決して裕福じゃなかったと思うけれど、今その光景を思い出すと
昭和30年代前半は凄く心のゆったりした、幸せな時間だったように思う。
ホットケーキの他に、お袋の作ったココアもまるでチョコレートみたいに甘くて、
たまらなく美味しかった。
そのせいか、ココアとホットケーキは大人になった今でも大好物。

最近はホットケーキの食べ方もお洒落になって、ウィンナを一緒に食べたり
バナナやイチゴを乗せ、生クリームを添えて食べたりと贅沢になった。
だけど僕が本当に好きなのは、バターをたっぷり乗せて
蜂蜜をかけた、「お袋のホットケーキ」。
決して高級じゃないけれど、シンプルで思い出のあるこの味が、
僕の口には、一番合っている。
久しぶりに食べたくなったなぁ・・・・・「お袋のホットケーキ」
コメント
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