昨日も芝居の稽古だったけれど、相変わらず台本を抱えて稽古している人がいる。
そういう人は必ずと言って良いほど『忙しくて』と言い訳けをする。
台本を渡されたのが11月の頭。
つまり半年も前の事になるし、昨年の内に何回か台本の読み合わせをして
さらに数か月が経過しているというのに・・・・。
台本はA4サイズでたったの50枚。
台本全部が自分の台詞じゃないし、例え全部暗記しようとしても、
11月からの100日、つまり2月下旬までに2日で1ページのペースで台本を読めば、
覚えられると思うけどね。
ところが4月になっても台本片手に稽古して、なおかつ台詞を覚えていない。
その4月ももう下旬。さらに2か月が経過している。
こんな調子だから、その人と絡むシーンになると調子が狂って、
こっちまで台詞が飛んでしまう。
まあ、これは僕の練習不足もその一因かも知れないですけれど・・・・。
忙しくても1日30分有れば台本1ページは読める。
寝る前、通勤電車の中ならば往復の電車の中、昼休みの残り時間、
時間なんて捻出しようと思えば、いくらでもできるはず。
そもそも、何かと言い訳する人って、最初から言い訳を用意しているのですよ。
もう20年以上も前に出会った『三訓五戒』という冊子にはこんな事が書いてある。
言い訳をすることに関しては、みごとな人がいる。
まったく筋が通っており、成程と思わせるようなことをいう。
しかし、いかに、完ぺきに言い訳が通ったとしても、それが自分の人生にどうプラスになるというのか。
言い訳は習慣となる。
ことを始めるとき、すでに同時に、失敗したときの言い訳を考えようとする。
これでは成功するはずはない。
否定的な考えが、心の深層にある、創造的英知の活動をはばんでしまう…。
そして、言い訳の方に自分が縛られてしまい、一度言い訳したら、
また次の言い訳をつくらなければばらなくなる。
言訳は、ぐっとこらえ、呑込み、それを踏みこえて、建設的にものを考え、
実行していくことの方が賢明である。
子供の頃から、親にも言い訳することを咎められて育った僕は、
この冊子を手にした時に涙が出そうになった。
それ以来、言い訳はみっともないと思う気持ちが一層強くなって
『三訓五戒』の中に有る五戒の『言い訳はするな』はいつも頭から離れない。
言い訳をする背景には『恥をかきたくない』という気持ちがある。
『出来ない自分』を受け入れることが出来ず、努力を怠って
出来ない自分を肯定するための言い訳を用意する。
僕は『出来ない自分』が面白い。
それだけ伸びしろがまだあると言う事ですからね。
裏を返せば、出来る自分なんてちっとも面白くないし、
出来る部分だって限られたレベルの低いところでしかない。
こんな事をいくら話しても『言い訳する人』には糠に釘…
他人の事を言う前に、もっと自分の出来ないことにチャレンジする方が
自分の人生にとって有効な時間かも知れませんね。