今日から3日連続の稽古。
今日は演出助手の山中君と、歌唱指導の助手をしている智子さんが
揃って稽古を休む事になっていた上に、今日の稽古会場は唄禁止。
ちょっと広めの会議室と言うことも有って唄抜きの芝居の稽古になった。
そんな訳で、今日は1幕冒頭のシーンからの通し稽古。
座長の演出も、細かいところを色々と指示する。
稽古をしていて思うのは『この人、台本読んでるのかな?』
と思う事がしばしばある事。
台詞が台本とは違って居る上に、不必要なアドリブを入れる人。
こういうのは脚本を書いた作者に対して失礼だなぁ…っていつも思う。
僕は台本って言うのは、音楽でいう譜面だと思っている。
だから台本のある芝居は、バンドや楽団を組んで一緒に演奏するのと同じです。
そう云った音楽の場面で、譜面通りに演奏しない人が居ると、
譜面通りにやっている人が混乱するだけじゃない、余計な音や
譜面にないメロディーが加わると、作者の思いが伝わらない可能性が高くなる。
フレーズのつなぎに、ちょっとした『オカズ』を入れることがありますが、
それだって、元の譜面通り演奏することが大前提。
アドリブはそれが出来て、余裕が出来たところで入れる。
それだって、バンドの中ではきちんと決めごとをしての事。
芝居の場合のアドリブは譜面にないメローディーを勝手に入れるのと同じで、
元のセリフを殺してしまう場合もしばしばある。
ただ、無言で居るとおかしい部分もあります。
例えば、皆でガヤガヤと言いながら舞台に登場する時や、
逆に舞台から消える時、そういう時は台本にないアドリブが生きてきます。
これは音楽で言う『オカズ』に近いもので
そう云う意味では、芝居ではアドリブの台詞なんて基本的には要らないのです。
ところが、勘違いしてつまらないアドリブやギャグを入れる人が居る。
面白いと思って勘違いしている事が多いですね。
元の台本をきちんと演じれば、十分に面白い芝居になるのに、
それが出来ないから、くだらないギャグを入れたりするのです。
そう云うのは何だか、ちょっと腹立たしく感じる事があります。
だから僕は基本的に『一字一句、間違えずに台詞を言う事』が第一条件です。
まずは台本通りのセリフを、言い回しや間の取り方を色々と変えて稽古でやってみる。
それで芝居がしっくり進むと、演出の座長も嬉しそうにしてくれる。
あれこれやりながら、今日は2幕の終わりまでやりました。
唄が入らないと、芝居の稽古は通してできるんですねぇ。
芝居の後は、座長とM谷さんの3人で芝居談義をしながら、
新宿まで歩いて帰ってきました。
明日は今回初めての『衣装合わせ』です。