昨日のさらに続き・・・・
出し惜しみをしたお蔭で、相談に来た若者は計算をして
また相談にやってきた。
僕が教えなかった部分を、しっかり考慮して計算していた。
その計算結果は、ほぼ僕が『出し惜しみ』した計算と同じ結果になった。
なんだかちょっと嬉しかったですね。
これで同じレベルで話し合いが出来る。
かつて僕が師と仰いでいた先輩もそうだった。
電気回路の相談をする時に、基本的な事を理解していないと
僕の対応と全く同じで、アドバイス程度しかしてくれなかった。
しっかり基本的な部分を勉強して理解してからは、対等な立場で
意見を出し合える間柄になっていた。
要は、解らない事を自分で調べもしないで訊くことが失礼だって事。
それに気付かせてくれた先輩は、今でも僕にとって神様みたいな存在。
かと言って、僕が『神』的な存在になろうとしている訳じゃない。
ただ単純に、人を育てるってことはそういう事なんだと思ったのです。
そう言う意味では今、夢中になっている芝居もそう言った面が多いですね。
座長が僕に宿題を与える。
自分なりに理解して、芝居のアイデアを練って座長にぶつける。
何も考えず、言われた通りに芝居をすることほどつまらないものは無い。
台詞の一つだって、どういう言い方をすればお客さんに伝わるか?
所作も同じで、言葉が無くても仕草で表現できることが沢山ある。
それが出来ない人は、変なアドリブやリアクションで誤魔化す。
そう云うのって、実はその場限りで自分が満足しちゃっているだけで
肝心の視て頂いているお客さんには、何も伝わっていないことが多い。
面白い演技、笑える芝居って言うのは、ギャグをやるのとは違って
お客さんが『あるある』の状態になった時に、ジワリと笑いが込み上げて来たり。
そんな芝居が僕は好きですね。
そういう事も含めて、芝居って言うのは普段の生活に、
芝居に使える素材がゴロゴロしている気がします。
話を戻せば、技術の世界でもそれは同じです。
些細な事に、いつも気をつけて居れば何かの役に立つ。
去年、僕が考案した『特殊溶液の回収機』もその一つ。
表面張力が殆どない液体の蒸気を100%近く回収する方法を思いついたのは
お風呂に入っている時だった。
大量の水分を含んだ空気から水を回収しようとしたら、
その空気を水の中を潜らせたらどうだろう?って思った所から
アイデアが浮かんできた。
『水で水を回収する』と言う馬鹿げた考えを、真面目に考えたら
実際に100%に限りなく近い回収が出来る装置が出来上がった。
話がどんどんズレちゃいましたね(笑)
僕は決して『出し惜しみ』をしている訳じゃないと言う事を言いたかっただけです。