今日は定置網漁で久し振りにモノノケトンガリサカタザメが獲れる。モノノケトンガリサカタザメは偶然にも昨年の今日、新種記載された(ブログ2020 9.20)。記載論文にパラタイプとして標本登録された個体が獲れたのは3年前であり、それからは全く獲れなくなってしまったので、実に3年振りの入網である。前回は雌個体であったが今回は雄個体である。サイズ的にも前回の個体よりも小さく、一人で持ち上げられる位である。今日は予定もなく大学へ持ち込むことも出来ると様々な条件が揃ったので魚ボラの標本用として確保する。前回よりも小さいとは言え、大学まで運ぶのは大変である。標本が入る蓋のある容器はなく、漁協で平ケースを借りて運ぶ。行くまでに標本が乾かない様に少量の海水を入れ、その海水が車内にこぼれない様に慎重に走る一方、たまに強くブレーキを踏んで標本に海水を掛けながら走る。大学に着き、魚ボラの先生や学生達と標本を見ると、特徴の胸鰭中央の黒色斑が薄く、胸鰭も小さく見える。トンガリサカタザメ属にはまだ国内未記録種が数種おり、獲れる可能性のある台湾に生息する未記録種もいるのでその種を疑う。だが、調べると台湾産の種とは違い、更に雄個体は雌個体よりも胸鰭が小さい事もわかりちょっと残念。でも、これで地元産のモノノケトンガリサカタザメの雌雄の標本を登録することが出来た。次は台湾の未記録種が入網してくれるように願いたい。
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