山折哲雄の“ブッダはなぜ子を捨てたか”を読んだ。
本のカバーの、子殺し、親殺しの時代に「よみがえるブッダの思想」
のコピーに引き付けられて買ったのだった。
読み終えた感想は、ただうーん、と思うだけでよく分らなかった。
ただ一ケ所「今なら死ねるか」という著者の心情のような心の揺れる
様子が書かれ部分があって妙にそのところが心に残った。
自分も時々同じように自問することがあるものだから、偉い宗教学者
も凡人と同じようなことを考えることがあるのだと本の主題とはあま
り関係のないようなことを思ったりした。
不思議なことに一年程前に観た彫刻家中村晋也の等身大のブロンズの
釈迦十大弟子像のもつ名状し難い表情や雰囲気が山折哲雄の本を読ん
で初めて分かったような気がした。彫刻家の表現力も凄い。
人生って波打ち際の砂に記した足跡みたいなものなのに何時までも続
くように思ってる。まあそう思わなければ・・・・・