575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

飛天・夏の夜の夢    竹中敬一

2016年08月12日 | Weblog
私の大学時代の同級生( 吉村玲・早大名誉教授 )が以前に発表した
飛天に関する論文が話題になったことがあります。
と言っても一部、専門家の間だけの話かもしれませんが…。

中国・敦煌の壁画や、雲崗・竜門の石窟に刻まれた様々な図柄から
飛天誕生の謎を解き明かしたのです。
この論文を私のような素人にも、同級生のよしみで送ってくれました。
時々、私は今でもこれをボケ防止に読み返しています。

難しい漢字や専門用語がでてきて、なかなか前に進まないのですが、
テレビ屋だった私は 何とかこれを映像化できないものか考えてみました。
この論文をもとに、多少、脚色して極めて簡単にコンテを作ってみました。

舞台は近く私も行くであろうあの世の世界でのお話です。

( 1 ) 薄紫色の雲がたなびく空のもと、見渡す限り蕾をつけたハス田が広がっています。
( 2 ) ある日の 早朝、そのハスの蕾が一斉に霊妙な音と共に開花します。
( 3 ) やがて、あちこちで丁度、昆虫のサナギが羽化して成虫になるように、
    蕾から天人の赤ちやんが頭をもたげ始めました。
( 4 ) 初々しい羽をつけた天人の誕生です。
( 5 ) 天人の羽が一斉に天衣に変化、はてしない大空を無数の飛天たちが
    天衣をひるがえしながら飛び交っています。

大事なことは、以上、時間を異にする一連の出来事が、同一の画面に表現されていることです。
異時同図法です。

写真は、中国山西省大同にある雲崗石窟で、私もこの飛天誕生の過程が
刻まれている場面をよくみかけました。
インドが起源と言われるこの図式を応用すれば中国、朝鮮、法隆寺の玉虫厨子などに
画かれている飛天誕生の謎が面白いように解明できます。

超スローモウション、三次元の幻想的映像など、最新の技術を駆使して、
この飛天誕生の図式をアニメかCGで作ってみたいと思うのですが、
費用がかかり過ぎることは判っていますので夢にとどめておきます。

コメント
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