令和2年の初句会が昨日10名の参加で賑やかに行われました。
今年は暖冬で雪もなく「寒夜」を実感するには多少想像力が必要だったかも知れません。
それでもやはり寒い夜。いろんな寒夜が詠まれました。では恒例の一言講評です。
題詠「寒夜」
①人肌の 風ぞ彷徨う 寒夜かな
暖冬で生暖かい風。猫の写真とともに投句。「ぞ」の使い方はどんな感じでしょうか?
②車椅子毛布に巻かれゆく寒夜
高齢社会。状況が目に浮かびます。寒夜の移動なので緊急性を感じます。なんとか暖かくして運びたいという慈愛のこもった句。
③憧るる 紅き囲炉裡<いろり>の寒夜かな
「紅き」にもう一工夫という声がありました。囲炉裏のある暮らしも少なくなりました。
④夫の息聞いて安堵の寒夜かな
そのままの状況を詠まれましたが、共感を呼んだ一句。思わず確かめてほっと。
⑤被災地にそそぐ月光寒夜かな
阪神大震災から25年。あの夜は満月だったと聞き、月の句を詠みましたが、「月光」は秋の季語でまだまだ勉強が必要です。ちなみに「寒月光」ならよいそうです。
⑥警策の肩に予感の寒夜かな
警策の寸前、
いよいよ来るという緊張感。心に警策を受けたという方も。
⑦終活の話題の尽きぬ卓寒夜
終活の話題はご時世でしょうか?淋しい句かと思いきや、なんと忘年会で盛り上がった話題だったそうです。話題が尽きないというのがほほえましくも切ないですね。
⑧胃カメラの画像じっくり寒夜半
精密検査を受けられ、ご自分の胃の中を初めて画像で見たそうです。写真にして持って帰りしみじみと。幸い結果は異状なしでした!!よかった!!
⑨寒夜20ワットに揺れる天井
揺れる20ワットの電球は御不浄でしょうか?お化けがいるようなちょっと怖い感じも。
⑩雨戸繰る音八方へ寒夜かな
雨戸のあのガタガタときしむ音が懐かしいです。その音が寒夜に、四方ではなく八方に響くとされたところがいいですね。
⑪寒夜なりカーテンよせて星二つ
カーテンの隙間から覗く星が二つ。シンプルですっきりとした一句。
⑫自画像の瞳のなかの寒夜の灯
青木繁か岸田劉生の自画像か?とこの句を詠みとった方。まさに岸田劉生の自画像でぴったしカンカン!瞳の中のエネルギーを感じられました。
⑬足裏に老いしのびよる寒夜かな
「老いは足元から」といわれますが、足裏が冷えて夜中にトイレに行く時も辛いそうです。血行障害を嘆く声も。身に沁みる共感の一句。
⑭澄みわたる寒夜の明かり月のみぞ
しんしんと冷える寒夜。月明かりが美しいです。まさに寒の月。
⑮気掛かりは灯油の残り寒夜かな
原油供給の国際情勢と取った方もおられましたが、やはり、ご自分のストーブやヒーターの灯油の残量が気になります。
⑯万物の動きひそめる寒夜かな
何もかも眠りについたひっそりとした寒夜です。
⑰寒夜明け枯れシモバシラ小滝立つ
季重なりが気になりましたが、「シモバシラ」という植物があるそうです。「小滝立つ」にもう一工夫ほしいという声あり。
いかがでしたでしょうか?新年初めての句会。力作がそろいました。今年も皆元気で賑やかに開催されますように。
来月は、2月19日(水)午後1時20分 愛知芸術文化センター
題詠は「春隣」です。春の兆しを詠んでくださいね。麗子
今年は暖冬で雪もなく「寒夜」を実感するには多少想像力が必要だったかも知れません。
それでもやはり寒い夜。いろんな寒夜が詠まれました。では恒例の一言講評です。
題詠「寒夜」
①人肌の 風ぞ彷徨う 寒夜かな
暖冬で生暖かい風。猫の写真とともに投句。「ぞ」の使い方はどんな感じでしょうか?
②車椅子毛布に巻かれゆく寒夜
高齢社会。状況が目に浮かびます。寒夜の移動なので緊急性を感じます。なんとか暖かくして運びたいという慈愛のこもった句。
③憧るる 紅き囲炉裡<いろり>の寒夜かな
「紅き」にもう一工夫という声がありました。囲炉裏のある暮らしも少なくなりました。
④夫の息聞いて安堵の寒夜かな
そのままの状況を詠まれましたが、共感を呼んだ一句。思わず確かめてほっと。
⑤被災地にそそぐ月光寒夜かな
阪神大震災から25年。あの夜は満月だったと聞き、月の句を詠みましたが、「月光」は秋の季語でまだまだ勉強が必要です。ちなみに「寒月光」ならよいそうです。
⑥警策の肩に予感の寒夜かな
警策の寸前、
いよいよ来るという緊張感。心に警策を受けたという方も。
⑦終活の話題の尽きぬ卓寒夜
終活の話題はご時世でしょうか?淋しい句かと思いきや、なんと忘年会で盛り上がった話題だったそうです。話題が尽きないというのがほほえましくも切ないですね。
⑧胃カメラの画像じっくり寒夜半
精密検査を受けられ、ご自分の胃の中を初めて画像で見たそうです。写真にして持って帰りしみじみと。幸い結果は異状なしでした!!よかった!!
⑨寒夜20ワットに揺れる天井
揺れる20ワットの電球は御不浄でしょうか?お化けがいるようなちょっと怖い感じも。
⑩雨戸繰る音八方へ寒夜かな
雨戸のあのガタガタときしむ音が懐かしいです。その音が寒夜に、四方ではなく八方に響くとされたところがいいですね。
⑪寒夜なりカーテンよせて星二つ
カーテンの隙間から覗く星が二つ。シンプルですっきりとした一句。
⑫自画像の瞳のなかの寒夜の灯
青木繁か岸田劉生の自画像か?とこの句を詠みとった方。まさに岸田劉生の自画像でぴったしカンカン!瞳の中のエネルギーを感じられました。
⑬足裏に老いしのびよる寒夜かな
「老いは足元から」といわれますが、足裏が冷えて夜中にトイレに行く時も辛いそうです。血行障害を嘆く声も。身に沁みる共感の一句。
⑭澄みわたる寒夜の明かり月のみぞ
しんしんと冷える寒夜。月明かりが美しいです。まさに寒の月。
⑮気掛かりは灯油の残り寒夜かな
原油供給の国際情勢と取った方もおられましたが、やはり、ご自分のストーブやヒーターの灯油の残量が気になります。
⑯万物の動きひそめる寒夜かな
何もかも眠りについたひっそりとした寒夜です。
⑰寒夜明け枯れシモバシラ小滝立つ
季重なりが気になりましたが、「シモバシラ」という植物があるそうです。「小滝立つ」にもう一工夫ほしいという声あり。
いかがでしたでしょうか?新年初めての句会。力作がそろいました。今年も皆元気で賑やかに開催されますように。
来月は、2月19日(水)午後1時20分 愛知芸術文化センター
題詠は「春隣」です。春の兆しを詠んでくださいね。麗子