ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

雨、雪、みぞれ、…悪天候ほど燃える!?~笹川流れマラソン2018(下)~

2018-04-09 21:26:48 | RUN
折り返し点過ぎでは、少し向かい風になったので、下を向きながら走っていた。
いつも近隣の大会で会うSNさんが、声をかけてくれた。
私より速い人なのに、今回は私の方が数百メートル先行しているのだった。
うれしいなあ。
でも、この後抜かれるかなあ、と思いつつ、ペースを維持した。

11km地点を過ぎたら、脇から年輩の男性がスッと前に出て行った。
この人、知ってる。マラソン大会の入賞常連のKMさんだ。
私より4歳年上だが、速いのだ。
ついていけないな、と感じて、さすがだなと思った。
でも、10m弱の距離で前にいるのをずっと見ながら走っていた。

そして、12km地点を過ぎたあたりから、私の目の前を走っていたのは、私と同じ「いわきサンシャインマラソン2018」のTシャツを着ていた女性。
思わず、「いわきとは天候がまったく違いすぎですよね。」と話しかけた。
やがて、私がおなじTシャツであることに気付いた女性は、「寒過ぎます!」と答えてくれた。
「がんばりましょう。」と言って、彼女より前に出た。

意外なことに、先ほどのKMさんとの差が開かない。
調子が悪いのか、5分20秒台になったりする。
まあ、雨の中、私もそのくらいのタイムで15km地点あたりまでついていったのだ。

小刻みな上りが連続すると、記録は一度5分30秒台まで落ちた。
17kmあたりの給水所では、おばちゃんたちが一口サイズの塩むすびを配っていた。
1個いただいて口に入れたが、冷えた塩むすびはかたくて、うまく噛めないし飲み込めない。
口の中に残って大変だった。
失礼ながら、何粒か吹き出して、少し楽になった。
教訓。冷えた塩むすびは怖いと知った。
やっぱりそれより水をとるべきであったと思った。

帰路はこの後から上り下りが多くなる。
たいないマラソンやいわきサンシャインマラソンのアップダウンで自信をつけたのもあって、上りでも簡単にへこたれないようになった。
太ももに負担のないように、膝をあまりあげずに上り、歩幅を広げないようにして下った。

目の前にKMさんが近づいた。
2年ほど前にも入賞していて、3週間前の新潟ハーフでも私より10分以上早くて上位だったKMさん。今日は調子が悪いのだろうか?
思い切って横に並び、前に出た。
そのうち抜き返されるかも、と思いつつ、それはなかった。

17km地点で5分30秒、18kmで5分26秒、19kmで5分21秒、20kmで5分10秒…と上げていくことができた。
力がついてきたのかな?
この悪条件下でも、思ったほど疲れずに終盤を走ることができていた。
腕を振り、ペースを下げないように、むしろ上げるように走れているのはうれしいことだった。

最後の「ま坂」のところは、さすがに1km5分55秒だった。
でも、今年は、この魔の坂を走り切ることができた。
今までは、ほとんど歩くように腕を振っていただけだった。
だが、今回は、歩いている何人かを抜いて、ゴール目指して走り続けることができた。

グラウンドに入り、20メートルほど先のゴールまで、ぬかるみに乗った板の上を走る。

そして、ゴール。

ヘロヘロではなかった。
まだ少し、余力があった。
ハーフを走ってこんなことは今までなかった。
もらった記録証には、グロスタイムしか書いてなかったが、ネットタイムがあれば、たぶん新潟ハーフマラソンよりも9秒ほど速いタイムになっているはずだ。
記録は、1時間51分台をぎりぎりで記録した。
気分爽快だ。

恒例の「あおさ汁」をいただき、温まった。

「いやあ~、あったまる~!」
と、隣にいた男性が汁を口にしながら、声を出し笑っていた。

低温下では体が一気に冷えそうなので、急いで着替えに向かった。
10㎞種目で入賞常連のSRさんと会った。
着替え後、SRさんと話している時、同い年私と同い年で、多くの大会に出場し、10kmからフルマラソンまで、どの種目でも優勝の常連のAさんとも会った。
Aさんは、フルマラソンの年齢別ランキングで、日本でベスト10に入る人である。
そのAさんが、「初めて棄権しちゃったよ。13kmで、体が冷え切ってしまい走れなくなった。こんなのは初めてだよ。」と言っていた。

今回は、優勝経験豊富なAさんですら初めて棄権するほど、過酷で悪条件下の大会だったのだ。
それなのに、ほぼ自己ベストの記録で走れた自分を誇らしく思えた。
「自画自賛」という訳ですな。
しかし、これだけ納得のいくレースができたのは初めてだった。
雨、雪、みぞれ、低温などひどいコンディションの中でも、いい走りができて、本当にうれしかった。
自分にとって、最高のハーフマラソンのマラソン大会だった。



コメント
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