15日(月)に田中一村特別展(観覧料1000円) を見てきました、美術館入り口で.2500円で画集を買いました。
発行日 2010年8月21日
発行 千葉市美術館 鹿児島市立美術館 田中一村記念美術館
全359ページ
田中一村特別展 「田中一村 新たなる全貌」 は
県立奄美パーク田中一村記念美術館google にて
11/14(日)~12・24日まで開催中(期間中休館日はありません)
.
第一章 東京時代(1908-1938)
第二章 千葉時代(1938-1958)
やわらぎの郷聖徳太子殿の天井画製作
やわらぎの郷(石川県羽咋郡宝達志水町敷浪5-10)google
九州・四国・紀州への旅
第三章 奄美時代(1958-1977)
それぞれの部屋に分かれて展示された全国から集められた過去最大規模となる200点以上の作品を見ながら、最後の奄美時代の部屋にたどりついたときの感動は、平成13年に美術館ができた当初に見たときとのあの息をのむような感動とはまた違うものだった。
「蘇鉄残照図」p175や「パパイヤとゴムの木」p174のぼんやりとした夕日の光はやわらく、なつかしい。「はじめての奄美」という人にとってもなつかしく感じられるだろう。これも「古事記の世界」なのではないかと思った。亜熱帯の暗い森のむせ返るようなとか生命力に満ちたとか、装飾的なという印象は影をひそめ、むしろ落ち着いた明るささえ感じられ、やさしく神々しくもあった。一村の最晩年の作で、命を削るようにして製作したといわれる代表作のクワズイモと蘇鉄の背景の空の色がうっすらと黄金色に輝いて見えたのはなぜか。それは、千葉時代、一村が自信をもって展覧会に出品したが落選し、かわりに入選した作品での受賞を拒否、それらの経験が奄美行きの決心の背景にあった考えられるという「秋晴」p139の背景の色や「黄昏」p140に通じるものかも知れないと思い画集を開いて見たが、やはり美術館で見た本物の絵とは違って見えた。奄美をおいて一村は語れないが、それだけではないという「全貌」が見えた気がした。
「田中一村新たなる全貌」、「伝説からの脱却」いう副題に、主催者側の自信が感じられる充実した内容だった。
あまりにも異例な形で世の中に登場したあのときから約四半世紀が過ぎようとしている。一村の画業に対する学術的研究も進み、一画家としての新たな魅力を感じてもらおうという試みは成功したといえる内容だったとおもう。
しかし、一村は生前、自分の絵が50年後、100年後理解されればよいという気持ちで描いていたという。「新たなる全貌」はつづくのか。
===
関連記事
========
↑ 奄美パーク総合展示場入り口
↑ 展示館から美術館への通路
↑ クロトン 背景 奄美パーク総合展示館 ビロウ樹 幹
ブログにたくさんの写真を載せたあと、どうして似たような絵をたくさん載せてしまったのだろう?と後悔することがあるのですが、一村の絵の中にも、似たような絵がいくつもあって少し安心しました。