奄美 海風blog

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『敬天愛人』 第28号 財団法人 西郷南洲顕彰会

2010年11月29日 | 本と雑誌

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敬天愛人 第28号 財団法人 西郷南洲顕彰会
平成22年9月24日発行 2010
ISSN 0910-9773

これまで食わず嫌いで敬遠気味だった。 はじめて読んだ。
しかし、読んでみておもしろい。

西郷隆盛について書かれた出版物は多い。一人の人物に関する著書の数としては世界一ではないかとも言われている。(確証はない)

その人物が約5年もの間奄美の島々で暮らし、それが彼の思想形成に少なからず影響していると思うだけでも読んでみなければと思う。

勝者によって書かれた歴史のみをうのみにしていていてはいけない。

本書は、1983年の創刊以来、年に一冊発行され、今年で28号になる。

巻頭言は、「西郷南洲翁と沖永良部」と題して西郷が1859年8月から64年2月までの約一年半過ごした沖永良部島の和泊町長が執筆している。

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たくさんの記事の中、とくにP63 の「百年の成功急ぐべからず」
新『南洲翁遺訓』を編纂 が興味深い。

西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 (岩波文庫) 西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 (岩波文庫)
価格:¥ 504(税込)
発売日:1991-01

農本主義者とみなされてきた西郷は、実は農業のほかに貿易にも通暁していた。P86
奄美大島龍郷町での潜居(1859~62)時代、薩摩藩の密貿易に関与していたと推量される。
龍郷は琉球と本土間との海運の中継地点となっていた。なぜなら、ある時、龍郷まで訪ねてきた勝海舟に「今、こんな商売をしております」といって、倉庫の大きな扉をガラガラと開けて、中を見せた。海舟は帰途、従僕に「今見たことは他言無用」と釘をさいていることからも、倉庫に積まれていた品々は、公にできない類の密貿易品(西欧からの武器弾薬類を含む)であった可能性が強い。

勝海舟が龍郷で潜居中の西郷に会いに来たという話はこのブログでも以前書いた記憶がある。「扉をガラガラと開けて」てはリアルな表現だが、詳しい出典が欲しいところ。

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P155 あいかな/菊次郎宛 西郷書状見つかる という記事も注目される。

西郷が、明治6年1月18日付け 島妻 愛加那に宛てた手紙と長庶子菊次郎宛の2通 3月20日付けと8月10日付けの3点。(8月10日付以外は新資料) 

計14枚の写真で墨痕鮮やかな直筆の手紙が紹介されている。

西郷は鹿児島に帰ったあとすぐに再婚し、敬天愛人と言いながら愛加那をまったく顧みなかったではないか、という批判もあるが、

母子(菊草)に存命中に会いたいので一両年のうちに本土へ登ってくるよう促す内容になっていて西郷の思いやりと優しさがうががえる。


『歴史ドラマの大ウソ』and 『梅棹忠夫 語る』

2010年11月29日 | 本と雑誌

101129_book_umesao_rekishi 歴史ドラマの大ウソ [単行本]
大野敏明 (著)

大河ドラマはあまり見る時間がないので、どんなことが話題になっているのか?と思って読んだ。

軽い読み物としてすいすい読めた。

それを言うなら、あれはナゼ言わない?と思うところも多々あって、そう目くじらを立てなくても、とも思うが、なるほどと思うところもあった。

目くじら語源

あ、目くじらのくじらは鯨(くじら)とは関係なく、目尻(めじり)のことで「目くじり」ともいうそうです。

しかし流行の歴史ドラマの主人公に入れむ有名人をみていると、見たこともない人によくそうほれこめるもんだな、と思うこともある。

とにかく、武士の暮らしは想像以上に窮屈なものだったらしい。

歴史ドラマの大ウソ 歴史ドラマの大ウソ
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2010-06-18

登録情報
単行本: 208ページ
出版社: 産経新聞出版 (2010/6/18)

発売日: 2010/6/18

商品の説明
内容紹介
龍馬、直江、篤姫、秋山兄弟、黄門御一行、吉宗・・・歴史ドラマは突っ込みどころが満載
内容(「BOOK」データベースより)
ウソをあばけば本当の歴史が見えてくる。真の歴史ドラマ好きに捧げる正しい歴史の楽しみ方。

梅棹忠夫 語る (日経プレミアシリーズ) 梅棹忠夫 語る (日経プレミアシリーズ)
価格:¥ 893(税込)
発売日:2010-09-16

梅棹忠夫 語る (日経プレミアシリーズ) [新書]
小山 修三 (著, その他)

wikipedia より 梅棹 忠夫(うめさお ただお、1920年6月13日 - 2010年7月3日)は、日本の生態学者、民族学者。国立民族学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、京都大学名誉教授。

『知的生産の技術』岩波新書 がなつかしい。いろいろ梅棹 忠夫の本は読んだつもりだったが顔写真は記憶がなかった。

「あんたは自分で確かめたのか?」

上の本と偶然、一致しますが、こちらはより、痛快です。権威や固定観念、思い込みに鋭く切り込みます。

梅棹 「いわゆるインテリというものは、まさに武士道です。サムjライの後継者や。それで町民をバカにしとる。」P166

梅棹 違いますよ。京都の文化は町人文化です。みなお公家さんなんかバカにしていた。わたしの子どものときはあきらかにそうでした。P169

鹿児島や奄美からみるとカッコイイ。

商品の説明
内容紹介
権威をかざす学者・評論家、世に跋扈する“似非インテリ”たちにガツンとひとこと言ってやろう。「あんたは自分で確かめたのか?」――「知の探検家」梅棹忠夫が自由奔放にその哲学を語った最後の“梅棹ワールド”。
内容(「BOOK」データベースより)
他人のまねをして何がおもしろい?―未知なるものにあこがれ、自分の足で歩いて確かめ、自分の目で見て観察し、自分の頭で考える。オリジナリティを大事にして、堂々と生きようやないか!閉塞感・不安感に満ちた現代日本人に向け、「知の巨人」が最後に語った熱きメッセージ。

登録情報
新書: 222ページ
出版社: 日本経済新聞出版社 (2010/9/16)

発売日: 2010/9/16