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『鹿児島植物記』―自然の歴史と人の歴史が織りなす多様な植物社会― 単行本(ソフトカバー) – 2019/4/15
寺田 仁志 (著)
寺田 仁志 (著)
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暇なときにパラパラめくって、・・・と思って
普通の植物図鑑だろうと、軽く考えて手にした。
(奄美の植物の写真もたくさんあったし)
普通の植物図鑑だろうと、軽く考えて手にした。
(奄美の植物の写真もたくさんあったし)
ところが、いままでよく眺めた図鑑とは、ちょっと違った。
副題をみると『自然の歴史と人の歴史が織りなす多様な「植物社会」』
副題をみると『自然の歴史と人の歴史が織りなす多様な「植物社会」』
「植物社会」とは聞きなれない言葉だった。
屋久島生まれの著者自身の研究や体験で感じたことを、
わかりやすい記述で、よく見かける雑草(昭和天皇の言葉とされる「雑草という草はない」は有名)
から珍しい植物まで幅広く取り上げる。
わかりやすい記述で、よく見かける雑草(昭和天皇の言葉とされる「雑草という草はない」は有名)
から珍しい植物まで幅広く取り上げる。
花だけでなく、実や地下の茎など植物の移り変わりや、周りの他の植物とのかかわり、人の暮らしとの
かかわりなど幅広い。(小動物なども写真付きで登場する)
かかわりなど幅広い。(小動物なども写真付きで登場する)
個々の植物の植物学的知識はもちろんだが、人や社会の歴史とのかかわりなど、著者自身のブログ的なきさくなことばでつづられる文章は臨場感もあって読み物としても楽しめる。
例えば「衣料となった植物」ではリュウキュウイトバショウの繊維や芭蕉布の着物の写真もあり、その製造過程の説明などもあるといった具合だ。そして、
芭蕉布は風通しのよい生地だが、鹿児島の蒸し暑さをさけるための家屋の構造にもふれ、害虫駆除のための
昔のひとびとの対策などにも話は呼ぶ。
昔のひとびとの対策などにも話は呼ぶ。
それだけではない、龍郷町のバシャ山(ハショウ群生地)が紹介され、「バショウ山と持参金につけなければ嫁にいけない不器量な人」という隠語の由来なども紹介される。幕末の薩摩の流刑武士が描いた奄美の自然や習俗なども写真入りで、ごく一部だが紹介される。
個々の植物の薬効や、地域独特の食用や菓子などの伝統料理の説明もあって実に幅ひろくきめ細かい。
民俗、歴史、自然史(地形、地質、地史)、動物、それぞれの分野の専門家らの協力で、読み物としての厚みを増し、十分たのしめる図鑑といった感じだ。
民俗、歴史、自然史(地形、地質、地史)、動物、それぞれの分野の専門家らの協力で、読み物としての厚みを増し、十分たのしめる図鑑といった感じだ。
著者による、全国、海外での植物研究の知見をいかして、それらとの鹿児島 奄美の植物との比較もありがたかった。
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amazon 内容紹介
自然理解の手引き書
鹿児島県は、屋久島・奄美の2つの世界自然遺産級の地域をもち、4つの国立公園、3つのジオパーク、国指定の天然記念物は48件に上る。本書は、この世界が注目する自然を理解する格好の手引書である。
鹿児島の素晴らしい多様な自然の百科全書
―――志學館大学教授 原口泉
出版社からのコメント
その植物がどこから来て、どう生き延びてきたのか。人の歴史を視野に入れつつ、植物の移り変わりを丁寧に解説しています
鹿児島の素晴らしい多様な自然の百科全書
―――志學館大学教授 原口泉
出版社からのコメント
その植物がどこから来て、どう生き延びてきたのか。人の歴史を視野に入れつつ、植物の移り変わりを丁寧に解説しています