amazon 内容紹介
これだけは知っておきたい、奄美の基礎知識――。 学校の教科書では教えてくれない奄美独特の歴史を、小学校の校長先生がやさしく手ほどき。大人もこどもも手軽に読める。これだけは知っておきたい奄美の基礎知識。 やさしい読み物ながら、戦後刊行された昇曙夢の『大奄美史』以来、半世紀以上もなかった奄美諸島の通史として画期的な刊行。奄美博物館、奄美史研究家の最新の研究成果も盛り込んでいる。
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この本は2回目ですね<ここに、リンク>
単位や、割合、大きさ、人数や年数など、具体的な数字を効果的に使っていると思った。
常々、奄美の歴史で不思議に思っていた数字を、いま思いつくまま2つだけあげる。
奄美の歴史なんて、と言わずに、じっくり考えると現在にも通じるとても大事なことだと思える。
まずその一
18世紀後半、奄美の島々を統治するため、鹿児島からやって来る役人(武士)の数は、大島で8人、奄美群島全体でもわずか25名だった。P92
たった、これだけで、”あの”厳しい砂糖の収奪が可能だったのはナゼか?
薩摩藩の支配形態の奄美における実質的な担い手は、島出身の「島役人」=ある資料では1089人(人口の2.8パーセント)=琉球時代からの由緒ある家柄だったり、のち薩摩藩の支配形態に強力する形で力をのぼしてきた人たち)だった。
薩摩の武士対島民という単純な図式ではない。それに奄美特有の複雑さもからんでくる。
数字 その二
昭和26年(1951)奄美全群で行なわれた日本復帰請願署名運動では、
わずか2ヶ月半で、
14歳以上の住民の99.8パーセント(13万9348名)が署名
署名しなかったのはわずか56名(0.2パーセント)p134
その内訳には、「旅行中」と「かつての大和世を嫌って」があげられている。
沖縄の運動では著名活動は72パーセントP144(「沖縄国」への思いや、米軍の方針など、奄美との違い)。
奄美の99.8パーセントは、ある意味、すさまじい数字であり、悲しくもあり、また恐ろしくもあるのではないか。戦争や復帰の意味について深く考える時間が少なかったのではないだろうか。
「かつての大和世を嫌っ」た、人たちは、たったのそれだけだったのだろうか。
小学生の頃から考えておけばよかったと思う。
登録情報
単行本(ソフトカバー): 224ページ
出版社: 南方新社; 1版 (2011/1/15)
言語 日本語発売日: 2011/1/15
商品の寸法: 21 x 15 x 2.4 cm
奄美の歴史入門
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2011-01-15