古代史入門事典 単行本 – 2022/2/26
武光 誠 (著)
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出版社 : 東京堂出版 (2022/2/26)
単行本 : 352ページ
「入門」とはいえ盛沢山、「事典」とは言え体裁からして違っていて、どちらのイメージからも遠い内容だが、『古代史」対するこれまでの古いイメージも正してくれる。平易で理解しやすい文章。図解あり。
巻末付録の略年表は、
弥生時代57年倭の奴国の王、後漢に遣使。洪武帝より印綬を賜る(『後漢書』東夷伝 建武中元2年)
から
1185年(寿永4(文治1)壇ノ浦の戦い。平氏滅亡まで。
古代史では、大化の改新あたりから天智(38)、弘文、天武(40)持統41あたりがかろうじて物語でイメージがつかめていたくらいのだが、特にその後の「794年鳴くよ鶯(ウグイス)平安京」で有名な50代桓武天皇の時代(奈良から平安時代の始まり)が物語的でわかりやすく印象に残った。
それまでの仏教政治の腐敗をただし最澄や空海の新仏教を保護し、律令政治再建、政治の分離をすすめた桓武天皇のイメージが固まった。古代史には資料が少なく、それだけではない謎や疑問も多いのだが。