新編 銀河鉄道の夜 宮沢賢治 は
途中の 『ビジテリアン大祭』(264ページ)で挫折。
あと少しで読了なのに。(『猫の事務所』がおもしろかったね、目からうろこだった、ちょっとちかづけた宮沢賢治ちいう感じ。)
『火車』 (かしゃ) 宮部みゆき
を読み出したのはその挫折の原因だったか結果だったか。
一度に何冊も読まない主義。
ふだん、あまり読まない推理小説 熟読した。
休職中の刑事、本間俊介は、ある日
遠縁にあたる栗坂和也から、
その婚約者「関根彰子」が失踪したと告げられ、
行方を捜してほしいと頼まれる。
本間俊介の目を通して語られるサスペンスは、スリリングな展開を見せる。
しかし徹底的に足取りを消されていた「関根彰子」。
彼女は、ナゼそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?
なぞを解く鍵は、
サラリーマン金融やクレジットカード破産などの借財に追い詰められ、人生を翻弄される一人の女の凄惨な生き様のなかに隠されていた。
自己破産や戸籍制度の実態などを専門用語を使わずに、
現在の若者や庶民の経済実態に鋭く切り込みながら、カード社会の問題点を浮き彫りにしてみせながら物語はつづいていく。
そのみごとな手法は、
この小説が推理小説であると同時に経済小説でもあるといわれるゆえんである。