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『家康の置文』 単行本 – 2002/9/1 黒須 紀一郎 (著) 作品社

2019年06月20日 | 本と雑誌

『家康の置文』 単行本 – 2002/9/1
黒須 紀一郎 (著) 作品社
5つ星のうち 4.5
2件のカスタマーレビュー
 
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内容(「BOOK」データベースより)
御三家でありながら倒幕の先鋒「尊攘激派」を生み出した水戸藩の謎。藩士領民に苛斂誅求を強いてまで、南朝正系を志向する修史事業に邁進する理由は何か。通説を覆す傾き者=光圀と仁愛の人=綱吉の宿命の対決。瞠目の歴史長編。
 
---
 
これも、適当に借りた時代小説3冊のうちのひとつ。
 

その中で最もおもしろく読んだ。
家康、御三家、水戸光圀とくれば、
あ、置文とは、あのことだな、とわかったが、
それは最後に明かされる。
そればかりを意識して読むと、落胆が大きいかも知れないが、
途中が面白いので、それはネタバレしても、どうということはない。。だろう。
 
その途中とは
 白村江の戦い(日本と百済連合軍と、唐・新羅連合軍との戦争)
それにつづく、古代日本最大の内乱である壬申の乱(じんしんのらん 
天智天皇崩御後、先帝・天智天皇の「実弟」・大海人皇子(後の天武天)が挙兵。 
 
弘文天皇(天智天皇の太子・大友皇子)即位説)など、乏しい古代史の知識が問われる。
 
それに南北朝両皇統のうち,いずれが正統とするかの南北朝正閏論(なんぼくちょうせいじゅんろん)
もべんきょうさせられる。
 
もちろん作家の想像駆使する物語りも駆使され大いに楽しんだ。
にも通じる面白さ。

これも綱吉の治世のころが舞台だが、
綱吉はバカ殿ではなく、
そして、ここで描かれる水戸光圀(家康の孫で儒学を奨励し、彰考館を設けて『大日本史』を編纂し、水戸学の基礎をつくった)と、あの「黄門さま」の間にはイメージに大いにギャップがある。
 
あと、修史事業に邁進する光圀のおかげで、あくなき苛斂誅求に苦しんだ藩士と領民の話は、幕末の薩摩藩のビンボウと似てなくもない。
 
斉彬(薩摩藩第11代藩主)に御庭方役に抜擢され江戸に赴いた西郷がまっさきに、国事について教えをうけたのは、水戸藩士で、水戸学藤田派の碩学・藤田東湖であった。

斉彬が感化された曾祖父・重豪(薩摩藩の第8代藩主)は、将軍家(11代徳川家斉)の岳父として権勢を振るう一方で、蘭癖(西洋かぶれ)大名として名を馳せ、そのため藩士や領民(当然島の人々も)は、苦しんだ。

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