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真田太平記 12巻 紀州九度山 1985 池波正太郎

2016年08月19日 | 本と雑誌

和歌山県北部に位置する九度山町は人口4300人あまり。現在、くどやま「真田丸大河ドラマ展が開催中だ。

九度山の名前の由来は、域内には高野山の開祖・弘法大師空海の母が暮らしていた慈尊院があり、空海は月に9度(それほど頻繁にという意味であろう)母に会いに来ていたことから、という。

 

 

 

 この巻は、戦が終わり、物語も少しゆっくりと進む。後半のクライマックスに向けて中休みといったところか。物語冒頭から妖艶な女忍びとして登場したお江も30年が過ぎ、すでに50を超えてもなお、肌艶の輝きを失わない。しかしたとえば物売りの老婆に扮するときは顔のつくりを変えるわけでもないのに老婆に顔になりきり体つきも別人のごとく、歩みぶりから声色もだ老婆そのものになる。

五瀬の太郎次「忍びばかりでなく、女という生き物はな、佐助。常の女でも、その折々に、たった一日のうちで三度も四度も顔つきが変わってしまうものなのじゃ」女は無意識のうちに演技をしているというのだ。P110

物語全体の中でも歴史上の登場人物たちの人生の中の生きざまや風貌の変わりゆく様が丹念に描かれ読みどころの一つとなっている。



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