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車で30分も走ると着く所なのに、いつも通過するだけで立ち寄らなかった。
初めて訪れた公園には、まだ秋の風情の方が多く残っていた。池の周りの木々の紅葉も、名残の姿を水面に浮かべ水鳥を遊ばせている。
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一羽の白鳥が(本とに白鳥なのか、知らない)誇らしげにかっこよく首を伸ばして、水面を滑る。
4羽のアヒルが、その後を付いて回る。
まるで、家族のようだ。水鳥の移動する方向に、私もついて回る。
池を一回りして、最も水鳥達の近くに行くと、アヒルは。こちらに寄ってくる。
どうやら、餌を貰えると勘違いしたようである。
白鳥の方は、知らん振りで、近寄っては来なかった。
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アヒルの遊び場のような小石の水辺で、おじいさんと孫が餌を投げている。
その傍に数匹の猫がじゃれあっていた。
子年のせいか、猫は好きでない。傍にきそうになったので、しゃがんで、おじいさんと話していた私は、思わず立ち上がった。
カメラを向けると、猫ににらまれたような気がした。
後にも先にも、猫を撮ったのは、初めてであり、もう撮ることもないだろう。
のどかな初冬の公園だったから、猫に少し優しくなれたのかもしれない。