新年には、春日大社にお参りする習いがいつの間にかついている。
松の内もすみ人出も少なくなった頃の神社は静かで、ゆっくりと過ごせる。
拝殿にお参りした後は、境内の散策が楽しめるし、毎年行っていても、自分なりの発見というか、目の付け所が変わってくる事も、面白い。
拝殿前の、砂擦りの藤の傍の、おみくじ結びは、まるで、白い花のようである。
初詣をした人達が、結び付けて帰ったその白さは、初春の白さかもしれない。
大吉は持ち帰り、凶とかそれに近いおみくじは、左手で神社の木の枝などに結び付けて、難を取って頂くと言うような、昔の慣わしをする人もいるだろうが、とにかく、これだけ結んでいるのは、何でも、結びつけて帰るようになっているのだろうか。
5月には見事に咲く砂擦りの藤より先に咲いた新年のおみくじの花。結びつけた人皆に幸せあれと、願いたい。