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黄金色の稲穂と薄緑の稲の葉、塔を囲むような濃い緑の樹木の中から、すっくっといい姿の塔が、青空に立ち上がっている。
畦道を歩きながら三層の屋根の全景が見える位置に立つと、塔や本堂の甍が白く光ってくる。
塔の南側から、遠望するような感じで塔の見える風景を楽しむ。
ふわりと浮かんだ雲が、塔に差し掛かるのを待っていると、歌人 佐々木信綱の
『ゆく秋の 大和の國の 薬師寺の 塔のうえなる ひとひらの雲 』が頭を過ぎる。
今私が眺め、魅入っているのは、西ノ京・薬師寺ではなく、斑鳩の里・法起寺であるが、この美しい大和の風景の中で、三重の塔としては日本最古の塔の見える、大きな絵の中にいるように思える。
歩いてしか目にすることの出来ない塔のある風景への、竜馬16さんのご案内に感謝である。