いつも行き過ぎてから、「佐川美術館へ行けばよかった~~~。」と残念に思って何年か過ぎてしまいました。今回は一番最後に、必ず行ってゆっくりとした時間を、ここで過ごす計画をしていました。
館内の敷地が琵琶湖を模したように、三つの建物が全て水面に建っているような設計に先ず驚き感動しました。平山郁夫館を中心に、佐藤忠良館が水面を隔てて並び、平山郁夫館の奥には楽吉左衛門館が、水の揺らぎの中にあるという今までに見たことの無い、光と水の幻想の中にある美術館でした。
「平和を求めた遥かな思い「平和の祈り」と名づけられた日本画の展示室では、仏教伝来をテーマに「シルクロードシリーズ」を画き続けた平山郁夫氏当館所蔵作品330余点の中からテーマごとに常時60点あまりを展示し、日本文化の源流に迫る平山郁夫氏の世界をご紹介しています。」
館内の作品は撮影禁止ですので、入館のときに貰ったパンフレットで、平山郁夫氏の、作品について記された部分を転写しました。
奈良・薬師寺の玄奘三蔵院大唐西域壁画殿の堂内を飾る〈大唐西域壁画〉を、薬師寺で拝観した時の感動が、この館内の作品を鑑賞していますと、一つ一つの作品が、大唐西域壁画と重なって、ジーンと目頭が熱くなるような、薬師寺での神聖な雰囲気が甦ってきました。
薬師寺で説明された僧侶は、これは絵画(壁画)ではなく、入魂されて壁画そのものがご本尊なのだと、言われましたが、身が引き締まるような、仏様に包まれているような感じでした。
この館内の作品の全ては、平和を祈る心を描き続けた、平山画伯の尊く熱い願いの吐露なのだと思いながら、立ち止まり立ち止まりしながら観ていきました。
平山郁夫画伯が30年の歳月をかけ描かれた壁画、 大唐西域壁画と薬師寺で出遭ってなかったら、この日の感動の深さはきっと違うものになっていたと思います。
玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」は、玄奘塔北側にある大唐西域壁画殿にお祀りしてあります。今までに三度拝観していますが、この秋再度拝観したい気持ちになりました。
旅の終わりに素晴らしい佐川美術館に行けたことは、この旅の最大の収穫でした。
長々と近江の旅シリーズにお付き合いくださって、深く感謝しております。
ありがとうございました。