コスモスの盛りには、少し早すぎたようです。 般若寺のシンボルとなっているのが「十三重石宝塔(重文)」です。高さ14.2メートルの十三重の石塔で、鎌倉時代のもの。これだけの大きな石塔は日本では珍しいと言われています。
この塔の初層には、四面に薬師如来・釈迦如来・阿弥陀如来・弥勒菩薩の線刻があります。光と影の関係もあるのでしょうが、かなりよく見ないと、仏様がはっきりとと見えません。
般若寺は、西国薬師四十九霊場・三番の札所ですが、札所巡拝をしている時、この東向きの面の薬師如来が、西国薬師四十九霊場のお薬師さんなのだと知りました。
コスモスと十三重宝塔の画像は、この季節の有名なアングルになっていますが、ことのほか暑かった今年に夏の名残の白い百日紅の枝の、差し掛かる石塔も好ましく思えました。
本堂を取り巻くように西国八八所の石仏が、和やかなお顔でコスモスに埋もれています。ここでもっとコスモスが咲いていればいいのですが、これからお参りされる人は、コスモスの優しさと塔や石仏に癒されることでしょう。
先にあげた白い百日紅と、対のように、赤い百日紅も枝先にまだ花を咲かせています。「百日」の面目を保っているようです。
塔の西側のコスモスが、よく咲いていました。本堂を見ますと、正面の階段からのコスモスの眺めが一番いい様で、多くの人が階段に腰掛けたり、本堂前の板の廊下にのんびりと座っていました。 皆さんいい時間を過ごしていらっしゃるなぁと・・・。般若寺はそんなゆったりした自分の時間のもてる、おおらかさがあるような気がします。