彼岸花の咲く頃に、もう一度ここに来たいと思っていました。 藤原宮跡のコスモスを見た帰り、道筋だったので寄ってみました。この日は本当に陽射しが強くて、ホテオアオイは、みんな真っ白になってしまいましたが、彼岸花とのコラボレーションを見たかったので、白と赤もいいものだと、自分を納得させました。
姿見のスペースの水は濁っていましたが、空の白い雲を浮かべているのも、秋らしい感じがします。
塔の礎石のあるこの木のある風景は、元薬師寺の中で私は一番好きな場所です。それも傍に行ってみるよりは、周りの自然に溶け込んだ様子が最も好きです。今はそこに、真っ赤な彼岸花が秋という季節を添えているからなお好きです。
太陽の位置の関係で、ホテイアオイは、白一面の絨毯になっているところに、姿見のスペースを挟んで咲く彼岸花の赤が美しく際立って綺麗です。
水の表面に藻が張り詰めて、藻の張っていない部分だけに、雲を映していますし、畝傍山の頂上部分だけは、「私の姿見だから」と向こうの端に映っています。
狭い境内の中から彼岸花と、ホテイアオイのある風景の何処を切り取っても、1ヶ月前に来た時とは違った季節の進みの美しさが迫ってくるようで、再び訪れてよかったと思いました。
向こうは白い絨毯なら、手前は本来のホテイアオイの薄紫です。ここには彼岸花を入れていませんが、ず~っと向こうまで続くホテイアオイは、今が満開のときです。 1日花であるのにこのように咲き続ける、そのエネルギーと繁殖力にも元気をもらえる花だといえましょう。
右手手前は畝傍山です。 遠景の青い山は葛城山です。 長閑な大和の秋です。
遠景をさらに左にカメラを向けますと、葛城山に続く金剛山の山並みが姿を現します。 家並みの甍や、ホテイアオイの白い絨毯は、現在ですが、それを取り巻く山々は古代から今に続いているのでしょう。