いつも季節の花の開花を知らせてくれる友人から 、「裏の空き地の桜が満開になってるので、写真、撮りにお出でよ。」と電話を貰ったのは22日だった。この日は親戚の法事があるので、お天気を見て行けそうな日に行くと約束をしていた。今日も時々降ったり晴れたり曇ったりと、気まぐれなお天気だったが、花は待ってくれないかもしれないと、晴れた時を見計らって行ってきた。
上の写真が25日現在の開花状況だった。
必死に咲いている満開の花に涙が出そうになった。
この桜の根元である。太い根が何年か前の台風で土の中で折れてしまっている。折れているのは木の半分くらいで、あと半分は地面で土を被っている。
木の向こうに回ってみると、折れた幹に斜面の土が被さっている。友人に聞くと誰も世話をしないまま、斜面の土が崩れたために折れた部分に、自然にかけてもらったようになって、命を繋いでいるのだと分かった。
横たわった幹の下に誰が置いたのか、ブロックがあり、そこから幹が少しずつ体をもたげ始めたようだ。
体をもたげた幹から細い枝が斜めに育っている。丁度ここで幹が二股に分かれて両方に枝が伸びて次第に空へ向かって伸びようとしたもののようだ。
これは画像が横と間違ってUPしたのではない。
上に伸びなくて横に伸びて育った枝の一部分が地面に横たわったまま、花盛りの時を今迎えている。
後ろに写っている家のわずかな窓の部分を見ても、桜は横たわっているのが分かる。
所がこの画像のように、横たわった幹の途中から上へ上へと、自然の法則にしたがって成長していった小枝が、しっかりと花の季節に美しく華やかな存在感のある「さくら」になっている。
花のてっぺんがこの写真である。
花だけを見ると、折れて倒れた木がこの美しい花を支えていることは、誰の目にも入らない。
台風で倒れた翌春、ブログにこの記事を書いた記憶がある。
もう見れなくなっていることだろうと思っていたのに、なんと綺麗に季節を忘れず一生懸命に花を咲かせていることか。
桜の種類は何であるかは知らないけれど、横たわった幹に、「あんたは、ほんとうにえらいね。」とカメラを向けていた私だった。