五條市西吉野町川岸に、私は今年も来た。もう何年続いているだろう。
初めて川の対岸からこの景色を目にした時、「ここは桃源郷だ。」と思ったままをブログの記事にした。
それ以来毎年この里に住む元同僚に「お花は咲いたかなぁ。」とこの時期になると花の情報を、電話で尋ねる。
初めの頃は彼女がこの里に住んでいることを知らなかったのだが、天川村から川岸に嫁いだことを話してもらったのを、思い出して連絡を取ることができた。
自分の感覚から勝手に「桃源郷」ときめているが、今国語辞典で「桃源郷」を調べてみた。
《陶淵明「桃花源記」に描かれている桃林に囲まれた平和で豊かな別天地から》俗界を離れた別世界。仙境。理想郷。
友人と二人で渡ると、ゆっさ・ゆっさと揺れる吊橋は、花木の世話をする人の生活道路のようなものだが、膝を痛めている私にとって、今までになくこわごわゆっくりと渡る。
吊橋を渡ってから今来た道路側の、山の斜面に植えられたサンシュユの黄色と、ケイオウザクラの淡いピンクや、白梅のすべてが朧なのが、辞典にある仙境の佇まいで、これがとても好きである。
道路側からの光景も、川あり、吊橋が遠くに見えて、ケイオウザクラの縁取りとサンシュユが、これもまた、朧な景色となっている。(明日に続く・多分)