カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

軒忍ぶ

2005年02月19日 | ☆ ふるさと・大和
「ノキシノブ」は漢字では、「軒偲ぶ」でなくて。「忍ぶ」となっている。
文字面から、「偲ぶ」は、人を思う心で、優しさを感じる。
しかし、「忍ぶ」は心の上に、刃が乗っかっていて、怪しげである。

藁屋根の朽ちた古屋とか、手入れのされない古木に遠慮がちに垂れ下がっている、「ノキシノブ」には、風情がある。
しかし、我が物顔に場所を占領するのは頂けない。これは、心の上に刃を翳しているとしか思えないのもである。

先日行った西吉野の山で、古木に、ノキシノブを見た。それは、通常のノキシノブより、かなり短い。
帰ってから、「四季の山野草」で調べて見ると、「ヒメノキシノブ」であることが分かった。
「姫軒忍ぶ」小さい種類だから名づけられたのだろうが、イメージが変わってくる。
文字面や、命名から読み手に伝わる印象の違うのが面白い。
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始動

2005年02月18日 | ☆ ふるさと・大和


行きつ、戻りつしながら、確実に近づいてくる暖かい春に向けて、農作業も活動の開始だ。
掘り起こされた土の光と影が、作付けの畝作りが始まったことをいち早く知っている。
昨年は、ここにナスが植えられていて、霜が降り始めた頃、後始末の野焼きをしていた。
今年は何を植えるのだろうかと、濃淡の茶色い線を見て思う。
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命繋いで

2005年02月17日 | ☆ ふるさと・大和
福寿草をの自生地を後にして、西吉野の山を下る時、ふと目にした切り株。
古い切り株で、残った幹の部分には、苔が密生している。
しかし、、その切り株の頭から、新しい芽が伸びてきている。
「これ、槙や」とSさんに言われてよく見ると。確かに芽が伸びて、葉を見せている。


その辺りを見回すと、根元は皆古い切り株なのに、70センチばかりに伸びた、槙が一列に並んでいる。
手入れの行届いていないこんなところにも、山自身の持つ、土の栄養を吸い取りながら、命を繋いでいく自然の営みがある事に心打たれた。
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福寿草の自生地を訪ねて

2005年02月16日 | ☆ ふるさと・大和
 市の広報の録音編集が早く済んだ。視力障害の方への発送を福祉センターに依頼した後、グループの友人Sさんに、西吉野の山に連れて行ってもらう。
目的は、「福寿草に会いに行く」ことだった。つづら折れのかなり深い山道の果てた所に駐車して、そこからは、朴木の大きい落ち葉を踏みながら山に登る。

登るにつれて、山を包むいい香りに迎えられる。
自生の蝋梅である。勝手気ままに枝を伸ばして、花を沢山つけているのが、造園された庭に咲く花に無い贅沢さが山にある。


寄り添うようにかたまって咲いている可愛さに会う。かなりきつい山の斜面に群生しているのに目を見張る。
日本での野生は、中部以南では、稀にしか見られなくて主として北地に産するとのことで、この辺りの自生地は、昭和48年に、県指定天然記念物に指定されている。


昨年彼女は、雪の中の福寿草を見たのだという。
積雪の後の晴れた日、青い空の下で、雪の中から顔を覗かせている、黄色い花の可愛さが忘れられなかったと話していた。
「来年は、私も会いに連れて行って」とお願いしていたのが、実現して感動。
暫くは、言葉も無く斜面全体を眺めたり、ひとかたまりの可愛さに見とれている素晴らしい時間を過ごすことが出来た。


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甘樫丘から

2005年02月15日 | ☆ ふるさと・大和

かさかさと落ち葉を踏んで、甘樫丘に登る。
184mのこの丘の上に、蘇我蝦夷,入鹿親子が豪壮な邸宅を建てていたという。
乙巳の変で入鹿が殺された後蝦夷が邸宅に火を放ち自害した。
そんな政変の悲しい歴史を偲ぶ由もない。
長閑な林を縫って頂上に向かう列が続く。



頂上の展望台で休憩する。
大和三山がこの地点からよく望める。
香具山の後方には吉野の山並みが連なりを見せている。
畝傍山の背に、二上山も姿を現している。
飛鳥の中心である甘樫丘は、神聖な山とされていた意味が分かるような展望である。
MBSの中継車があり、ここでも、中継のためのイベントが計画されているが、本隊が来るまでに小休止を終え、丘を下る。
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