「いい匂い!」朝外に出ると、庭の方からいい香りが漂ってくる。
秋の香りだ。金木犀の木の傍に行ってみると、花が開きかけている。
咲き始めの頃1番よく香ってくるようだ。
昨日はこの香りはなかった。明け方の気温が急に下がったので、咲き始めたのだろう。
よく見ると随分沢山咲いている。
今年の初めての香りだ。
いつもは、どこかへ出かけてそこでこの香りとの、その年の出会いがあるのに・・・
やはり今年は出不精なのかもしれない。
暫くは、金木犀の香りに包まれる日が続くので朝の目覚めが楽しい。
この花が香る頃、懐かしい思い出が決まってよみがえる。
和紙に包んだ金木犀の花を、封書の中に入れて、<故郷の香りを贈ります>と書いた手紙と一緒に春に上京した友人へ送った。
高校3年生の秋の日のことである。
その友人が36歳の時に亡くなったことを新聞で知った。
今なら携帯かスマホで画像しか送れないが、手紙の中には故郷の香りを入れて送れたのだ。