Remembrance 2006/09/06-2020/06/08  2020/07/01-

   ある日のできごと、心の呟き、よしなしごとetc

「小花を綴る」

2008年07月19日 | 言葉・文字・書籍
「中国の知人からいただいたもののお裾分け。2日以内に食べてね。」と言って、生の「れいし」を友人からもらった。冷やして食べたら美味しかった。

「れいし」ってどんな字を書くのかしら‥と、電子辞書の『広辞苑』で調べたところ、「茘枝」とあった。

①ムクロジ科の常緑高木。中国南部原産。葉は大きな羽状複葉。枝先に花弁のない小花を綴る。果実は卵形で‥(以下省略)
②ウリ科の一年生蔓草。‥(以下省略)
とある。

①の「小花を綴る」というのは、私は今まで知らない表現。こういう言い方があるのかぁ。「小花を綴る」なんて、詩的な響きだわ。私は「小花をつける」とか「小花を咲かせる」としか言ったことがない。今度チャンスがあれば、この表現を使ってみようと思った。

でも「綴る」は「つづる」と読んでいいんだろうね。まさか「とじる」じゃないよね。「とじる」なら「綴じる」だろうしね。
でもこの辺りをちゃんと調べておかないと恥をかくことになりそう。

という訳で、次は『広辞苑』で見ると、やはり「とじる」は「綴じる」である。
『広辞苑』で「つづる」を調べた。
『広辞苑』の「綴る」には、《他五》
①継ぎあわす。つづけあわす。家持集「きりぎりすわがきぬー・れ」「ほころびをー・る」
②言葉を連ねて詩歌・文章を作る。日葡辞書「コトバヲツヅル」。「思いをー・る」
③字母を連ねて語をつくる。「ローマ字で日本語をー・る」
の3つ書かれている。

私は、
④つける。「小花をー・る」
というのがあるだろうと思って調べてみたのだが‥。

そこで、『日本国語大辞典』を取り出し、「綴る」を調べてみたが、《他五》には同じようなことが書かれているだけ。(『日本国語大辞典』には《自ラ下二》も載っている。)


漢和辞典を見たいなぁとは思ったが、最近私の手元になくて、調べられず、こういう方面において信頼できる知人にこの疑問を話すと、
『つづる』は「二つのものをつなぎ合わせる、つらねる」の意味がある。
漢字「綴」は「つらねる」「つらなる」の意味がある。
という返事。
「小花をー・る」という表現はおかしいというコメントはなかった。

この場合「小花をつらねる」ということになる。
なるほど、そういえば『広辞苑』で見ると、「綴る」の目的語の花は一つではなく、穂状花とか多数の時に使われている。
この目的語が単数の時は「綴る」ではないと理解した。


ここを踏まえて、この先小さな花がたくさん咲いているのを見た時に「綴る」という表現を使ってみよう。


でも『広辞苑』の「綴る」の項に「小花をー・る」というときの「綴る」の意味も載せてほしいな。
④つらねる。「小花をー・る」
のように。

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