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第38回物流セミナー   ★その1 蘭奢待

2025年01月20日 | 旅(奈良)
2025年1月19日に開催された「第38回物流セミナー」に参加して、帝塚山大学客員教授 西山 厚 氏による講演「公慶上人・江戸時代の大仏復興」を拝聴しました。

   



セミナーは「正倉院に納められていた香木『蘭奢待(らんじゃたい)』を織田信長はどこで切り取ったか?」から始まりました。

西山氏によると、織田信長が蘭奢待を切り取った場所は、多聞城だったそうな。

どうして多聞城なのか?

多聞城は「世界で一番美しい所」としてイエズス会宣教師ルイス・デ・アルメイダによってヨーロッパにも伝えらた場所だったからだそうな。

「世界で一番美しい所」で香木「蘭奢待」を切り取る…これが信長の美学だったのでしょうか。

大仏殿の焼失は1567年10月10日ですので、織田信長が蘭奢待を切り取った1574年3月28日には多聞城から東を見ても、二月堂や正倉院は見えても、大仏殿のない景色だったでしょう。

 ※永禄10年(1567)の三好・松永の兵火で、大仏殿、戒壇堂、浄土堂、唐禅院、四聖坊などが焼失



奈良市に「多聞城」という城があったこと、しかもその城は金箔障壁画のある豪華絢爛な御殿や茶室、庭園などを備えていたこと、その跡地に若草中学校が建っていること等々を初めて知り、私は大いに驚きました。

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蘭奢待(らんじゃたい)

https://nikkoudou-kottou.com/blog/kouboku/14142より引用
蘭奢待とは、日本の歴史において「天下第一の名香」と称される特別な香木です。この香木の正式名称は「黄熟香(おうじゅくこう)」で東大寺正倉院に保管されており、その存在は高貴な香りと共に古代日本の文化や歴史における重要な象徴となっています。

不整形な木材で構成され、そのサイズは約1.5メートルの長さ、最大43センチメートルの直径、重さは約11.6キログラムで、内部が空洞化していることが特徴です。この空洞は香りを最適化するためのものとも考えられています。

また、蘭奢待の名前には「東大寺」の名が隠されており、これは蘭奢待が東大寺と深い関係を持つことを示唆しています。

蘭奢待が正倉院に納められた正確な経緯は明らかになっていませんが、宝物の移動や藤原葛野麻呂が唐から持ち帰った際に含まれていた可能性が指摘されています。蘭奢待は日本の歴史や文化における貴重な遺産であり、その価値は計り知れません。

正倉院のほかには、徳川美術館や厳島神社に切り取られた蘭奢待が所蔵されています。


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多聞城

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