(アフガニスタン南部カンダハルの病院で診察を待つ女性たち=2023年11月(共同)【2月21日 共同】)
【2月開催の国連によるアフガン情勢めぐる国際会議はタリバン欠席で成果なし】
ウクライナやパレスチナ情勢などもあるせいか、最近ほとんど動きが報じられていないアフガニスタンの話。
ひと月以上前の話になりますが、国連はアフガニスタン情勢めぐる国際会議を中東のカタールで開催しました。
タリバン政権は国際的に承認されていませんが、初めて会議に招かれたタリバンは直前になって出席を取りやめ、会議も実質的な成果を得られず閉会しました。
タリバンが会議への出席を見送ったのは、アフガニスタンの市民団体や女性組織が会議に招かれたことにアフガニスタンの唯一の公式代表として出席することを要求するタリバンが反発したためと報じられています。
****国連がアフガン情勢めぐる国際会議開催 タリバンは欠席****
国連は、イスラム主義組織タリバンが政権を握るアフガニスタンへの国際関与を目指す会議を開きましたが、タリバンは市民団体などの出席に反発し、欠席しました。
会議は18日から19日にかけてカタールの首都・ドーハで非公開で開かれました。
開催は去年に続き2回目ですが、国連のグテーレス事務総長によりますと、タリバン暫定政権はアフガニスタンの市民団体や女性組織が出席したことに反発し、欠席しました。
国連グテーレス事務総長「タリバンが示した条件は私たちが受け入れられないものだった」
グテーレス氏は、アフガニスタン情勢が「行き詰まり」の状態にあると指摘したうえで、今後、今回のような国際会議をより頻繁に開き、タリバン側に出席を求めていく考えを示しました。【2月20日 TBS NEWS DIG】
会議は18日から19日にかけてカタールの首都・ドーハで非公開で開かれました。
開催は去年に続き2回目ですが、国連のグテーレス事務総長によりますと、タリバン暫定政権はアフガニスタンの市民団体や女性組織が出席したことに反発し、欠席しました。
国連グテーレス事務総長「タリバンが示した条件は私たちが受け入れられないものだった」
グテーレス氏は、アフガニスタン情勢が「行き詰まり」の状態にあると指摘したうえで、今後、今回のような国際会議をより頻繁に開き、タリバン側に出席を求めていく考えを示しました。【2月20日 TBS NEWS DIG】
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【女性の人権に関してタリバンと欧米の間で認識の差 難しい対応のなかで宗教的アプローチの可能性も】
国際社会とタリバンの意見の隔たりの最大のものは女性の人権状況でしょう。
****タリバン 国連会議欠席へ 女性抑圧を懸念する国際社会と隔たり****
(中略)今回の会議では女性の人権状況などの改善を求める国際社会と、これを「内政干渉だ」として反発するタリバンとの間で本格的な議論が始まるのか注目されていましたが、双方の隔たりが浮き彫りになった形です。
アフガニスタンでは、独自に解釈したイスラム法に基づく統治を行うタリバンのもと、女性は小学校までしか学校に通うことが出来なくなるなど、女性の抑圧が深刻で、状況の早期の改善が求められています。
タリバン側は今回の会議に女性グループなどアフガニスタンの市民も招かれたことや、アフガニスタン担当の国連特使の任命が検討されていることに反発しているとみられます。(中略)
アフガニスタンでは、独自に解釈したイスラム法に基づく統治を行うタリバンのもと、女性は小学校までしか学校に通うことが出来なくなるなど、女性の抑圧が深刻で、状況の早期の改善が求められています。
タリバン側は今回の会議に女性グループなどアフガニスタンの市民も招かれたことや、アフガニスタン担当の国連特使の任命が検討されていることに反発しているとみられます。(中略)
女性教育の制限で 精神不安定な子どもも
アフガニスタンでは2021年のタリバン復権後、女性の教育の制限が徐々に強まり、現在は、女性は小学校しか通えない状況が続いていて、精神的に追い詰められる子どもたちが相次いでいます。
タリバンが復権したときに小学校6年生だった、首都カブールに住むザハラさん(15)は、中学生になりましたが、もう2年間も学校に通えていません。 家で過ごす日々が続く中で、急に涙が流れたり、独り言がとまらなくなったりと、精神的に不安定になったといいます。
病院に通い治療を受け、料理や掃除などの家事をして気を紛らわせるようにしていて、最近では症状はほとんど出ることは無くなりましたが、今も時折、涙が流れることがあると言います。
タリバンが復権したときに小学校6年生だった、首都カブールに住むザハラさん(15)は、中学生になりましたが、もう2年間も学校に通えていません。 家で過ごす日々が続く中で、急に涙が流れたり、独り言がとまらなくなったりと、精神的に不安定になったといいます。
病院に通い治療を受け、料理や掃除などの家事をして気を紛らわせるようにしていて、最近では症状はほとんど出ることは無くなりましたが、今も時折、涙が流れることがあると言います。
2年間 同じ教科書を読み直して
ザハラさんは、「学ぶことが出来る場所がどこにもなくて、とてもつらいです。これまで2年間、退屈な日々を過ごしてきました。夢は医者になることですが、どうやって実現したらよいか分かりません」と話していました。
そんなザハラさんの1番の楽しみは、学校で使っていた教科書を読み返すことです。 学校に通えなくなってから2年間、同じ教科書を読み直しては、友達と学校に通っていた日々のことを思い返しています。
ザハラさんは「年齢が大きくなり、学校に行けないまま学ぶ機会が失われています。タリバンが学校を再開してくれるのか分からず、心配です」としたうえで、「国際社会には私たちが学校に通えるようにタリバンに働きかけを行ってほしいです」と話していました。
そんなザハラさんの1番の楽しみは、学校で使っていた教科書を読み返すことです。 学校に通えなくなってから2年間、同じ教科書を読み直しては、友達と学校に通っていた日々のことを思い返しています。
ザハラさんは「年齢が大きくなり、学校に行けないまま学ぶ機会が失われています。タリバンが学校を再開してくれるのか分からず、心配です」としたうえで、「国際社会には私たちが学校に通えるようにタリバンに働きかけを行ってほしいです」と話していました。
専門家「女性教育 いかに発展に必要か伝えるのが重要」
ドーハの国連の会議に、タリバンが招待されていたことについて、アフガニスタン情勢に詳しい中東調査会の青木健太研究主幹はこれまでの国際社会のタリバンへの働きかけは結果を出せていないとしたうえで、「女性の権利の保障を求める諸外国と、イスラム法にのっとって伝統に沿った国づくりをすると主張するタリバンの間で、議論が平行線をたどるおそれがある」と述べ、今後、国際社会との議論が本格化してもタリバン側の姿勢を変えるのは容易ではないとしています。
一方で、中国がタリバン暫定政権の派遣した大使を受け入れたことなどから、「人権の順守を要求する欧米よりも、つきあいやすい国々と関係を強化するのは自然の流れではないか」と述べ、タリバン側が国際社会からの承認を得ようと急いでいるという予断を持たないことが重要だと指摘しました。
そのうえで、「価値観を押しつけるのではなく、女性の教育がいかにアフガニスタンの発展にとって必要かを伝えるのが重要だ。タリバンの権力は外国の要人とほとんど接触が無い最高指導者に集中し、声が届かないという構造的な問題もあるが、しっかりタリバンの中枢に声を届けないと変化は生まれない」と述べ、粘り強い働きかけが必要だという考えを示しました。【2月18日 NHK】
一方で、中国がタリバン暫定政権の派遣した大使を受け入れたことなどから、「人権の順守を要求する欧米よりも、つきあいやすい国々と関係を強化するのは自然の流れではないか」と述べ、タリバン側が国際社会からの承認を得ようと急いでいるという予断を持たないことが重要だと指摘しました。
そのうえで、「価値観を押しつけるのではなく、女性の教育がいかにアフガニスタンの発展にとって必要かを伝えるのが重要だ。タリバンの権力は外国の要人とほとんど接触が無い最高指導者に集中し、声が届かないという構造的な問題もあるが、しっかりタリバンの中枢に声を届けないと変化は生まれない」と述べ、粘り強い働きかけが必要だという考えを示しました。【2月18日 NHK】
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現実問題としては、「人権」に関する欧米的価値観からタリバンに改善を求めても、成果はあまり期待できないでしょう。
「国際承認」を与える見返りに人権改善を求めるような「取引」も、中国がタリバン政権との関係改善を見せているような状況ではあまり期待できないかも。
一方で、女性の人権に関して欧米との隔たりもある他のイスラム諸国では、タリバン政権ほどは極端な女性抑圧は行われていません。イランでは女性教育は進んでいますし、保守的とされたサウジアラビアでもムハンマド皇太子のもとで改革が進められています。
そうしたことを踏まえて、イスラムの立場からタリバンに改善を求めるというアプローチもあり得ます。
****宗教的アプローチに期待****
タリバン暫定政権、特に最高指導者をはじめとする強硬派に変化を促す方法はあるのか。
カブール出身のイスラム教シーア派法学者ザカリヤ・マシュクールは、タリバンの偏った思想と実践を正すために、イスラム教発祥の地サウジアラビアの権威が必要だと指摘する。
マシュクールは「サウジのイスラム法学者らが、タリバンの法解釈は誤っていると説明し続けるしかない」と訴える。軌道修正には政治ではなく、宗教的アプローチが欠かせないという主張だ。
タリバンが政策を変更する可能性はゼロではない。カンダハルに拠点を置くアクンザダら強硬派指導部と比べ、外交団や国際支援団体との接触が多いカブールでは閣僚の大半が女子教育再開を支持している。タリバンは国連とNGOに女性職員の出勤停止を命じたが、国連の交渉で保健医療分野は対象外となるなど、柔軟性も垣間見える。
国際NGO「ケア・インターナショナル」のアフガン事務所幹部レシュマ・アズミは「タリバンの多くが女性活躍の大切さを知っている。問題は指導部だ」と見抜く。「時間はかかると思うが、女性抑圧的な政策が変わることを待っている」【1月24日 47NEWS】
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タリバン側の「柔軟性」の事例としては、女子医大生容認も。
***タリバン、女子医大生を容認 農村部、医師不足対応か****
アフガニスタンのタリバン暫定政権は20日、農村部の約10州で女子学生の公立医大への入学を容認すると発表した。タリバン支配下の国営バフタル通信が伝えた。
タリバンは中学生以上の女子教育を禁じており例外的措置。農村部の深刻な女性医師不足に対応すると同時に、女性抑圧への国際批判を意識した可能性もある。
バフタル通信によると、タリバン暫定政権の保健省が各州当局に書簡を送り、高校既卒の女子学生を医大に入学させる手続きを開始するよう指示した。21年8月に復権したタリバンが女子教育を禁じる前に高校を卒業した女子学生が対象とみられる。 ただ入学を認められる女子学生数は不明。【2月21日 共同】
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タリバン的な認識から、女性患者の診察にはどうしても女性医師が必要になりますので、そのあたりの問題への対応と推測されます。ただ、いかにも総合的観点を欠いた弥縫策のようにも。
【タリバンの女性認識 出身母体パシュトゥン人部族社会の慣習しており、一定に国内では支持も】
女性問題への対応で他のイスラム諸国とも差異があるように、タリバンの政策には単にイスラム的な観点だけでなく、タリバンの母体であるパシュトゥン人部族社会の慣習・考え方が反映されています。
****「女性は守るべき存在」タリバンの女性抑圧政策を支える民意とは 民主化が失敗した理由は何か。これからどうなるのか【アフガン報告】6回続きの(4)****
アフガニスタンなど保守的なイスラム諸国には「女性の尊厳や貞淑さを守るため」として、女性を家族以外の男性と接触させない慣習がある。女性の社会進出を妨げる考え方だが、多くの国々に定着した文化でもある。
アフガンの問題点は、統治者として復権したイスラム主義組織タリバンが、女性の就労と教育を制限する政策を国家として推進していることだ。タリバンは民意の支持を得ていると主張する。本当だろうか。変化は可能なのか。
▽「恐怖の組織」ではない?
アフガンの首都カブールと他の地域では、街に広がる空気が微妙に異なる。カブールではスカーフ姿の若い女性たちが顔を隠さずおしゃれをして歩く姿を見かける。レストランやカフェでは、家族連れの女性客の姿もちらほら目に入る。外国人との接触が多い首都で、民主化と男女同権が進んだ名残だろう。
タリバンの本拠地、南部カンダハルでは話が別だ。市場の食料品売り場は女性客であふれているが、みな全身を覆うブルカ姿。表情は見えない。買い物の様子を撮影しようとスマートフォンを構えると、タリバン情報機関員の男が現れ追い出された。監視は徹底している。
それでも、カンダハル市民のタリバン観はおおむね好意的だ。「タリバンの考え方は土着の文化を反映している。ブルカ姿も強制ではない」という声をよく聞く。
欧米や日本から見ると「自由を抑圧する恐怖の組織」に見えるタリバンは、彼らの母体民族パシュトゥン人が多い保守的な南部や東部を中心に、アフガン人に支持されている。女性よりも男性が支持する傾向が強い。
タリバン暫定政権は、公共の場では目以外を布で隠すよう女性に命じ、女性だけでの長距離移動も禁じた。こうした政策には地域の慣習と重なる部分がある。
▽性欲と道徳的退廃から女性を守る
タリバンの最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダは強硬派の中核で、巡礼・寄進相サケブや最高裁長官アブドルハキム・ハッカニら古参メンバーが顧問役として脇を固めている。
彼らが理想とするのは、イスラム教の原理主義的な解釈と、パシュトゥン人に根付く保守的な慣習に基づいた社会だ。個人主義と民主主義、完全な男女同権を重視するアメリカやヨーロッパの価値観とは大きな隔たりがある。現代の日本人にとっては欧米の価値観の方が身近だろう。
タリバンに近い20歳代の男性記者は、その価値観を「男性は女性を扶養し、女性の名誉と尊厳を守る義務がある。女性は働く必要がない代わりに、子育てと家族の世話を課されている」と説明する。
さらに「見知らぬ男性の性欲から女性を守るために衣服や行動を制限し、西洋文化と男女混合の場を禁じることで、道徳的退廃と家族の破壊を防ごうとしている」と指摘する。女性の外出や就労、就学に否定的な強硬派の主張を支える考え方だ。
濃淡の違いはあったとしても「女性は守り、隠すべき存在」という発想は幅広い層のアフガン人に浸透している。教育を受けた人たちも例外ではない。
2023年10月、1400人以上が死亡した西部ヘラートの地震被災地を取材したときのことだ。国連機関で働くアフガン人男性(24)に話を聞いた後、家族の女性の写真も撮影させてもらえないかと頼んだ。すると男性は「勘弁してくれ。アフガンの慣習は分かるだろ」と露骨に不快感を示した。
男性は英語を話し、外国人との付き合いに慣れた知識層だ。女性らは布で顔を覆い目の部分だけしか見えていなかった。それでも家族以外の男性と接触し、ましてや写真を撮られることはタブーなのだとあらためて思い知らされた。
▽眉毛ケアはイスラムの教えに反する
タリバンが女性に課した就労制限は幅広い。2022年12月、非政府組織(NGO)で勤務する女性職員の出勤停止を命令。2023年4月には国連機関に女性職員の出勤停止を命じた。
さらに6月には、全国の美容院に閉鎖を指示し多くの失業者を生んだ。命令の理由は、髪と全身を覆う衣服の着用義務違反や、派手なメーク。「眉毛を整えることはイスラム教では許されていない」という理由まであった。カブールで美容院を経営していたファウジア・サダト(34)は「理解に苦しむ。タリバンはいつも女性の意見を聞かず一方的だ」と批判する。
アフガンでは2001年の旧タリバン政権追放後、民主政府の下でカブールなど都市部を中心に男女平等の啓発が進んだ。女性は国会議員として政治参加もできた。
だがタリバン復権後、女性は政治参加を認められておらず、公園や公衆浴場、ジムの利用も禁止されており、次々と社会から居場所を奪われた。自由と男女平等を知った女性らの反発は強く、カブールに住む元教師の女性(29)は「タリバンは女性が子どもを産む生き物と思っている」と憤る。【1月24日 47NEWS】
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【公開処刑も 情報統制強化の動き】
女性問題以外でも「人権」に関するタリバンの認識は欧米的なものと溝があります。
****国連、アフガンの公開処刑に「がくぜん」****
国連は28日、アフガニスタンで最近行われた公開処刑を非難し、同国を実効支配するイスラム主義組織タリバン政権に死刑の執行停止を求めた。
タリバン暫定政権はこの1週間、最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ師が署名した令状に基づき、殺人罪で死刑が確定した死刑囚3人の刑を執行した。3人は、被害者の遺族を含む大観衆の前で銃殺刑に処された。
国連人権高等弁務官事務所のジェレミー・ローレンス報道官は声明で「アフガンの競技場でこの1週間に3人の公開処刑が行われたことにがくぜんとした」「公開処刑は、残酷かつ非人道的で、品位を傷つける取り扱いまたは刑罰だ」と非難。
「こうした刑の執行は事実上恣意(しい)的に行われており、アフガンも加入する市民的および政治的権利に関する国際規約に基づき保護されている生存権を侵害している」と指摘した。 【2月29日 AFP】
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もっとも、公開処刑は北朝鮮などでも行われており、タリバンだけの問題ではありません。
一方、タリバン側が、欧米批判を退けて体制擁護的な報道を強化する動きも。
****タリバン、「記者支援基金」設立へ=体制寄りの報道奨励か―アフガン****
アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権は6日、ジャーナリストを支援する基金を設立すると発表した。タリバンによるメディア弾圧が指摘される中、国内外の批判をかわし、体制寄りの報道を奨励する狙いがありそうだ。
タリバンによれば、同日開かれたメディアの「違反行為」を監視する定例会合の中で決定。基金の助成対象は不明だが、出席したハイルホワ情報・文化相は全メディアに向け「イスラムと国の価値観にのっとった活動」をするよう促した。【3月7日 時事】
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【隣国パキスタンがテロ対策で越境攻撃】
国際関係では、タリバンの生みの親でもある隣国パキスタンとの衝突も報じられています。
****パキスタンがアフガン越境攻撃=8人死亡、武装勢力標的****
パキスタン軍が18日、アフガニスタン東部の国境地帯に越境攻撃を行い、子供3人を含む8人が死亡した。アフガンのイスラム主義組織タリバン暫定政権が発表した。パキスタン外務省によると、同国内のテロ事件に関与した武装勢力を標的にした作戦を実施した。
暫定政権によれば、東部のパクティカ州とホスト州で同日午前3時(日本時間同7時半)ごろ空爆があり、民家を破壊。子供3人や女性5人が犠牲となった。ムジャヒド報道官は声明で攻撃を非難し、「パキスタンが制御できない非常に悪い結果をもたらす可能性がある」と警告した。暫定政権の国防省は、報復として国境沿いのパキスタン軍施設を「強力な兵器で攻撃した」と発表した。
アフガン国境に近いパキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州では16日、軍施設が武装勢力に襲撃され、治安要員ら7人が殺害されていた。【3月18日 時事】
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独自性を主張するタリバン暫定政権と、タリバンを育て、支えてきたパキスタンとの関係がギクシャクしていること、イスラム過激派のテロに手を焼くパキスタンがテロの温床となっていると考える国内アフガニスタン難民をアフガニスタンに強制送還していることは、これまでも取り上げてきました。
今回の越境攻撃もそうした流れの一つでしょう。
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