オンドジェイ・ヴラベッツ&鳥山明日香 ジョイント・リサイタルに行ってきた。
コンサートでは、いつもいろいろなイメージをしながら楽しんでいる。
当初は非協力的で自信満々なホルン吹きと何とかうまく合わせようと神経を尖らせるピアニストというイメージで始まった。
ヴォカリーズ(ラフマニノフ)は柔らかなホルンの音色に対して「はきはきと言い過ぎる」ピアノのようだった。
だがピアノのソロになると俄然、活き活きとし始めた。
エチュード「音の絵」(ラフマニノフ)では濃厚な油絵を無心に描く画家のような止まらない才能のほとばしりを感じた。
黒い衣装に着いた細かなスパンコールの輝きが客席全員を直線的な光で差す。
明日香さんの手が黒い衣装と黒いピアノの間で白い別の生き物のように舞い続けた。
第2部が始まって山崎崇(コーディネーター)の登場で雰囲気は一変する。
山崎氏は演奏家と客とのやり取りによって音楽会を盛り上げる方法を教えてくれた。
するとどうだろう、あのホルン吹きが変わり明日香さんにも笑顔が見られるようになった。
音楽というのはちょっとしたことでガラッと変わってしまうものだと実感した。
「日本の調べ」は明日香さんの母親の編曲したものであった。
なんとも良い感じだ。
父親の唄ってくれる子守唄のような安心感で充たされた。
明日香さんは日本の着物をステージ衣装にリメイクしともので演奏した。
正直言ってチグハグ感は若干残るが狙いは素晴らしく、これで外国で演奏したら喝采をうけるのではないかと予想できた。
明日香さんはまたフランスのブランド「シャネル」による若手音楽家支援事業「シャネル・ピグマリオン・デイズ」の参加アーティストとして選ばれたが、そちらでの活躍も期待している。
「情けは人の為ならず」と似ていますね。
素晴らしい演奏だった様ですね
ステージ衣装も見てみたかったですね
あんな素晴らしい演奏家でも そんなことがあるんだと、やっぱり若くて瑞々しい心のままでいるんな、って微笑ましく むしろとても好感を持ちました。
それが、あの暖かくて明るく、ダイナミックレンジの広い音に繋がっているのでしょうか・・
販売したCDにサインする時も、セーラー服の学生さんが CDケースの包みを解かずに彼に差し出したのを、ちっとも面倒がらずに丁寧にニコニコとほどいてあげて、サインをしていらっしゃいました。
舞台ではしゃべらない方ですが、とっても率直で純粋な、よくおしゃべりをする方でした。
素晴らしかったですよ。
裏の話しが聞けると尚一層コンサートの楽しみが増します。
ご苦労様でした。