家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

採蜜のその後

2017-08-16 09:56:37 | Weblog
ハチミツは少しだけだが店に並んだ。

店主が「置いていいよ」と言ってくれたことで同時に私の次の作業が始まった。

商品にするには、いろいろクリアーしなくてはならない事がたくさんある。

店主に教わりながらやっと納品を終えた。

採蜜後10日ほどして巣に異常事態が起こっているのではないかと感じた。

巣の3階部分を外す時に、どうしても蜜がしたたり落ちる。

それをアリたちが見逃すわけはなく巣にはたくさんのアリが押し寄せていた。

だが、それだけではないことは次に見たときに分かった。

ミツバチたちは空中を飛び回り、巣の周りではミツバチ同士で噛みつき合っている。

たぶん別のグループのミツバチが蜜を盗りに来ているのだろう。

巣の中に大中小のアリたちが堂々と入り込みスズメバチが巣の周りにいるミツバチを喰いに来ている。

私は巣に近づくことができず少し離れたところに佇み巣を眺めていた。

すると左頬が「チクッ」とした。

初めて刺された。

異常事態は間違いない。

巣を開けてみた。

やはり巣板が落ちていた。

ハニカム構造は崩れ茶色の汚れが付着し中にはウジ虫(巣虫の幼虫)がいた。

それらを掻き出して2階部分に引っかかっている巣板を手探りで掻き落とした。

若干の巣虫の幼虫が逃げたが、殆どは捕まえた。

巣の中にカメラを入れて上に向けて撮影してみた。

今までの巣板の跡に作られ始めた巣板の方向が違うことから新たな巣板であることがわかった。

アリ対策としては退治用の駆除剤を置きスズメバチ対策用に以前も功を奏した金網を設置することにした。

最初のうちはミツバチたちは金網の広がった部分を探すのが大変だったようだ。

残念ながらスズメバチは易易と中に入り込む。

そしてミツバチを抱え込んで出てきた。

だがやはり抱えたままでは金網から出られない。

食いついたミツバチを放り出して逃げていった。

のんびりしているとスズメバチ自身がミツバチに殺られるからだ。

こころなしか巣に戻るミツバチが増えた気がする。

これでミツバチたちの活動が活発になり勢力を戻してくれることを期待している。

私は盗蜜の張本人だが、私が盗らなくても巣虫たちが大惨事を起こしていたであろう。

と思いたい。






ハチミツの日

2017-08-03 20:29:32 | Weblog
車に乗りこみスターターを回すと「今日はなになにの日です」と必ず言う。

「よくもまあ、そんなデタラメが言えたもんだ」と感心するほど毎日言い続ける。

「今日はハチミツの日です」と言う。

なるほど8月3日だからハチとミッツでハチミツね。

先日我が家のハチの巣からミツを頂いた。

2014年にミツバチの箱を設置してから初めて本格的に採蜜した。

なにしろ初めてのことなので何度も何度も頭の中で採蜜のシミュレーションをした。

それに要する道具は自作したり購入したりした。

第一ミツバチ箱と第二ミツバチ箱の二つが採蜜の対象なのだが第一ミツバチ箱は、イマイチ活発ではないと感じるので採蜜は第二ミツバチ箱だけにした。

蜜はミツバチたちが全員で冬を越すための食料なのだ無下に取るわけにはいかない。

去年近所のY爺さんはハチに刺されて少し気持ち悪くなって病院に行ったという経緯があるのでアシスタントは妻にお願いした。

妻と何度も打合せして現場で最後の打ち合わせをした。

まずはミツバチ箱の屋根を取り外す。

次に天井板を外す。

全部ビスで留めてあるので電ドルだけが忙しく働く。

ただ昔の電ドルなので電池の持ちが悪い。

少し使っては充電器にかける必要があった。

いよいよ3階建ての3階部分の取り外しにかかった。

持ち上げてみると「重い」。

それでも取り外して置き場に置いた。

2階部分がむき出しになり中からミツバチがブーンと出て行った。

中では「ゴワンゴワン」という全員で放つ混乱の音が聞こえてくる。

外した天井板を急いで2階のテッペンに置いておいた。

さて取り外した3階部分の蜜を採る。

下に受けの箱を置き長いトングで巣ごと取り外して持ってきたボウルに入れる。

採り終えた3階部分を今度は2階部分として元に戻した。

これで元通り3階建てに戻った。

それでもミツバチたちは興奮している。

箱の外に塊を作り事態の推移を見守っているようだ。

元来大人しいと言われるニホンミツバチは、やはり大人しかった。

煙をかける必要もなかった。

ネットを被って作業していたが、その中に1匹入りこんだ。

全く私を攻撃することなく「出られない」と慌てただけだった。

妻ももちろん初めての体験であったが落ち着いていた。

取ってきた巣の中にミツバチがいてもヒャーヒャーいうこともなく黙々と仕事してくれた。

「いただきます」

命をいただくことだから、そう言う。

今後の蓄えをいただくことは命をいただくことと、ほぼ同じ。