今年初めの前立腺炎が発端だった。
炎症は抗生剤で収まったのだがPSAという前立腺ガンの指標となる数値が高かった。
前立腺炎でも上がる数字なのだから炎症のある時には当然高い。
炎症が収まってしばらくしてから測ってみると3月の段階で8.6であった。
年齢別PSA基準値(正常値)というものが出ている。
それによると、60~69歳で4.5ng/ml以下 70~79歳で6.5ng/ml以下
ということだ。
8.6は71歳の私には高い値だ。
医師の説明では炎症が収まってもPSAはス~っと落ちるわけではなく徐々に落ちていくのです、と言う。
次のPSA検査は5月であった。
数値は4.5だった。
「良し。これで大丈夫だ」と勝手に思い込んだが医師はまだ納得しない。
次のPSA検査は8月30日であった。
名前を呼ばれて医師の前に座る。
医師は検査報告書を見せる。
数値は前回と同じような4.239であった。
すっきり4未満に落ちてくれればいいのにと思ったし、そう言った。
だが医師はこれで納得したようで少し素っ気なく感じるほどに説明を始めた。
「あなたの正常値は、この辺りかもしれませんね。あとは適当な時期にPSA検査をしてくださいね。と言った。
この数字の解釈はプロでないと分からないなぁと感じた。
検査を受ける時に、この病院での検針票の質問欄に排尿後に残尿感がありますか?
排尿の始めにいきむことがありますか?
など10項目がある。
ほとんど全て ない と答えたのだが、床に就いてから朝までの排尿回数は何回ですか?という質問に答えは 0回 なのだが、どういうわけだか 5回以上 という所に丸を付けてしまってあった。
それでも検査でちゃんと証明されたから良かった。
元々の前立腺炎の原因として考えられるのは春野での作業の時のことだ。
地下足袋をはいて外で作業しているので家に戻り地下足袋を脱いで入って用を足すということが面倒で、そのままいわゆる立ちションをすることが多い。
しかも冬場は回数が多く仕事用の手袋すら外さずにすることも多い。
だからじゃないかなと思う、10年前も。