家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

ヘッドフォン端子の半田付け

2022-12-30 07:33:28 | Weblog

珍しく同級生から電話が来た。

要らなくなった本をくれるという。

彼は職業で半田付けをやっていたことを思い出した。

「ヘッドフォン端子の半田付けをやってもらえるか?」と聞いてみると二つ返事でOKした。

電話を切ろうとすると「実はガンらしい」と打ち明けた。

ははーん。それで身辺整理の一つとして本の処分か、と感じた。

本は現代政治のものが多く、それ以外にはヒモでしばられた漫画本も数束あった。

それらを玄関の隅に置き、早速ヘッドフォン端子の半田付けをしてもらった。

ニッパでケーブルを切るその手が両方ブルブルと震えている。

大丈夫か?と思う。

震えながらも細いケーブルをニッパで挟み器用に中の銅線を取り出す。

グリグリと銅線の先端を絞り込み端子の小さな穴に通そうとするがが通らない。

針に糸を通せないおばあちゃんのようだ。

私が工作をするときに使う度の強い老眼鏡を持ってくると、それに替えた。

何とか穴に銅線を通し、半田付けしようとすると「カタカタカタ」と半田ゴテの先端とヘッドフォン端子が当たり合い大きな音を立てた。

自分で同じ作業をしたときに「こんな細かな作業はできない」と感じたのだが彼はそれ以下のものだった。

「一度身についたスキルは一生続くよ」と電話では言っていたが自分の事ではなかったらしい。

「OK あきらめた」と私が言って作業は中断した。

その後は彼の話に付き合った。

だが彼の半田付けの真似をしてペンでテーブルを叩き「カタカタカタ」と音を立ててやると「あはははは」と大笑いをしていた。

ガンは確かなのだが医師が言うには「ガンの進行が遅いので10年は大丈夫でしょう」と80歳まで太鼓判を押してもらったという。

「おめでとうございます」とお辞儀をする私。

「手術が終わって退院したらまた来るね」と言って帰っていった。

午後4時から風呂に入り、その後夫婦で1.8リットルのウイスキーを3.5日で1本の割合で飲むという。

午後4時は、とうに過ぎていたから彼の居心地がよかったことを実感した。


灯油ストーブと古い灯油をもらった

2022-12-27 11:52:58 | Weblog

友人宅に行った。

その家族が要らなくなった灯油ファンヒーターと去年の灯油をもらうことにした。

彼らは車に乗らなくなったのだ。

当然灯油を買いに行けないし、となればストーブも灯油も要らなくなる。

要らない物は全て処分するしかなくなる。

で私の出番があった。

それらを車の後ろに入れて重めのシートを掛けて倒れないようにした。

無事転倒もなく若干石油臭いだけで漏れ出すこともなく帰宅した。

我が家は灯油ストーブも使用している。

炎の見えるタイプとファンヒーターの両方を使っている。

炎の見えるタイプの石油ストーブに去年の灯油を入れて点火すると静かに燃え始めた。

友人に古い灯油がちゃんと燃えていますよ、と写真入りのメールを送った。

もし使えないとなると古い灯油は処分しなくてはいけなくなる。

そうなると友人も気が重くなってしまう。

「よかった」と返信が来た。

ファンヒーターには我が家で使っている買ったばかりの灯油を入れる。

だがその前に掃除をしようと思った。

開けてびっくり。

積年のホコリが各部にこびり付き、久しぶりに掃除機とウエットティッシュで1時間ほど作業した。

「これ買ってから一度も開けて掃除してないんじゃないの」と妻に見せると、それを見た妻は絶句していた。

私は毎年シーズンが終わると全てのストーブの灯油を抜き取り簡単にバラシて掃除しワックスを掛けて袋に入れて格納する。

それが普通になっている妻は驚いたようだ。

一台増えたストーブは前の奴と交代交代で使うことにしたため夜になって灯油を入れに外まで行かなくてもよくなった。

ホコリ高いストーブの内側の写真は送らなかった。


だまれETC

2022-12-14 07:47:35 | Weblog

葬式の帰り急に「ETCカードが挿入されていません」と言うようになった。

エンジンを掛けると毎回このアナウンスが流れるが、その次にエンジンを掛けるまでは流れない。

だから言うようになったではなかった。

それを言い続けるようになった。

車内には私の友人夫婦の他、妻の友人も乗り合わせていた。

それぞれの話題が車内を駆け巡っていた。

その中を15分置きに、あの文句をアナウンスする。

女性たちは気にせず話に夢中になっていたが我々男性は気になって仕方がない。

友人男が言った。

「いっそカードを差しっぱなしにしたらいいんじゃないかな」

それもそうだと思い翌日入れてみた。

「カードが入っています」を繰り返し言うようになった。

それも休みなく立て続けに。

まるで黙らせようとする私に対する腹いせのように。

「俺に恨みでもあるのか」とETC車載器にぶつけた。

とりあえずカードを抜いて15分おきの我慢を選んだ。

ETC車載器の取説を探すのは明日にしてETC車載器の取り付けについても調べ始めた。

今付いている車載器と同じものを付ければ電源ケーブルやアンテナケーブルを、そのまま利用できるだろうか。

それとも、またあの電源取り出しをして余ったケーブルをまとめて隠す作業をしなくてはいけないのか。

翌日あの面倒な作業の事を考えつつ取説を探した。

幸い車検証のファイルに挟めてあった。

取説を開いてみると解決方法が見つかった。

このボタンとこのボタンを同時に押し、次にこのボタンを何回押すとこうなります。

ということで、その通り作業した。

奴は黙った。

エンジンを止めた後までカードを残しておくと「カードが入っています」とは言う。

エンジンを止める前にカードを抜いておくと何も言わない。

沈黙のありがたさを感じた、しみじみ。

喋りすぎること自体がETC車載器の寿命が近づいていることの表れでないことを祈る。


この季節だ

2022-12-10 08:28:23 | Weblog

つい先日まで「今日は涼しくていいね!」だったのだが「今日は寒いね」に変わった。

行きつけの酒屋さんから電話が入った。

「担当と代わります」と言って妻と代わった。

「じゃあ8本お願いします」と妻。

この時期にしか味わえない濁り酒を注文したのだ。

翌日代金を支払い2本持って帰った。

残りは酒屋の冷蔵庫に保管しておいてもらう。

基本、祝い事があれば呑むことにしている。

それがあった。

中身は言えないが。

急遽妻の遊び道具であるテーブルに広がる布を隅に追いやり酒盛りをする。

煮物(レンコン ニンジン 大根 ごぼう 鶏肉 いんげん) 炒め物(もやし 豚ホルモン) 志太泉濁り酒

一升瓶をやめたのは、この濁り酒の開封が難しいからだ。

四合瓶ならアルミの封がネジ式になっているので少し開けては閉めを繰り返して酒の噴出を抑える。

赤い漆塗りの片口の酒器に少し粘り気のある白い液体が4合瓶から移される。

瓶のまま飲んでいると、初めは薄いが後になるほど濃いドロドロの物となるからだ。

一旦移してしまえば、よく撹拌された均一に近い濃さとなる。

それにしても一口飲むごとにお湯を飲んでアルコールや何か分からない物質を薄める。

酒器の表面では、泡がブツブツとまるで生き物のように生まれている。

ぐい飲みに移してからも泡は出続け、それどころか口の中に入り込んでも、その現象は止まない。

「あー。うまい」

祝い事のことは「乾杯」で終わり、もう濁り酒の美味しさに移行した。

「煮物と合うね」とか「この器の金継ぎがいいね」とか。

この寒さまで有難いものと感じさせてくれる、この酒にもう一度乾杯。

至福の時。


ミラー型ドラレコを取り付けた

2022-12-01 14:40:42 | Weblog

シエンタにミラー型ドラレコを取り付けた。

もちろん自分で装着した。

取り付けは誰でもできる簡単なものだ。

ただ配線が長いのでそれを隠すのに手間がかかる。

そのため内張りをはがして、どこが最適な場所なのか知っておく必要があった。

Youtubeを何度も見て自分の車と比較してイメージトレーニングをしておく。

またどのミラー型ドラレコにするのかも決める。

決め手になったのは、やはり信用のおけるyoutuberの言葉やその動画作成の丁寧さを見てだ。

毎回同じような質の高い動画を上げている人は、どんなことにも基本的に信頼できそうだ。

見ている人に「教えよう」という気が在り、それを自分の動画アップの原動力としている感じだ。

決してお金を稼ぐためではないように見える。

さて機種が決まったら年末のブラックフライデーなる安売りの時期を待った。

同じものを買うなら安いほうがいいに決まっている。

さて何もかも準備出来て「さあ作業だ」となって、まずは一旦全てを繋いで電気を通す。

すると、もちろん画面にはカメラから映り込んだ景色が現れる。

そして全て故障無しということで取り付け作業に入る。

はがせるテープでリアカメラの位置を仮に決めて、そこからリアカメラ用の長いケーブルを天井裏を這わせて画面まで持って行く。

簡単に書いているが大失敗をした。

リアゲートから運転席横まで持ってきた時気が付いた。

カメラに取り付ける用の差込口が無い。

当初カメラに取り付けたケーブルを後ろ前に取り付けたのだ。

しかたなくもう一度引っ張り直して戻し、一からやり直した。

配線の形が整ったので、いよいよ電気を取り出す。

電源は車のヒューズから取り出す。

さて検電器を取り出しヒューズに当てようと思ったら交流用だった。

当惑しているところに妻が「どんな風?」と言いながらやって来た。

内張りがいろいろ剥がれているし、そこには配線がグジャグジャに繋がっているしで素人が見ると「壊している」状態なのだ。

「ガンバッテネ」と言い残し、悪い物を見た感じでそそくさと戻っていった。

ヒューズは向きを考えずに、そのまま取り付けた。

そして大量に余った配線を見えない場所に収めた。

妻を乗せて試乗した。

ちゃんと前後とも映るし内張りは元通りなので文句なしだ。

「よーくやるねえ」と素人丸出しの誉め言葉をもらって自己満足した。

ヒューズの向きは検電器を買ってやり直すかどうかは決めていない。