家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

はちさるへび

2014-05-31 08:10:10 | Weblog
サルスベリの木の、ひこばえを取ろうとして屈んだ。

上から下に向けて引っ張ると簡単に取れた。

次々と取っていたとき目と鼻の先にある石垣にハチがいた。

あまりに近いのでドキッとした。

小さな巣に、どうやら卵を産み付けているようだ。

至近距離で作業していて刺されてもいやだと思いハチ用のスプレーを持ってきた。

戻るとハチは、どこかに消えていた。

巣を棒でつつくとポロンと落ちた。

中には幼虫と、先ほど産み落としたであろう卵が入っていた。

取り残したシイタケを取りに行った。

山の上の方向で「ギャンギャン」という子犬の鳴き声のような音がした。

猟犬が喧嘩でもしているのか?

「ギャンギャン」という音に混ざって「キー」とか「ヒョー」という音も混じる。

犬ではなくサルであろうと感じた。

山の方向を探すと、やはりいた。

姿を見せているのは1頭だけだ。

ハチのスプレーと一緒にカメラも持ってきていたので遠くに居る姿を撮った。

シイタケをとり終えて家の敷地に下がってくるとサルがシイタケのところにいた。

カメラのスイッチを入れて近づくと去っていった。

4頭くらい確認できた。

どうやら先ほどの騒ぎは私が彼らの餌場に近づいたことが気に入らなくて威嚇していたようだ。

「このシイタケは私の物だよ」とサルに言ったところで仕方がない。

彼らの食べ物を横取りする奴としか見られていない。

写真には走り去るサルの姿は全く写っていなかった。

「まったくしょうがない奴らだ」と少し憤慨してもどると家の敷地内の石垣にヘビがいた。

どうも様子がおかしい。

何匹かのヘビが絡まりあっている。

石垣の穴に頭を突っ込んでいるらしく頭は見えない。

私の存在に全く気づくことがない。

棒でつついてみた。

「はっ」と我に帰ったヘビは一瞬でマジックのように1本になった。

何と1匹だけだった。

腹側が白っぽく背中は茶色に黒の筋が入っていて、それらが複雑に絡んでいたものだから複数に見えただけだった。

ヘビはスーッと逃げていった。

あそこまで集中していたということは獲物を追い詰めていたところかメスがいたのであろうと推測した。

リスクの多い自然の生活。

何が起きても誰にも文句を言えない生活。

翌日ハチの巣は、どこかに消えていた。





眼の充血

2014-05-30 07:32:08 | Weblog
妻とランチに行った。

何を頼もうかなとメニューを見ていると妻が

「ちょっと鏡見てみて。すごいよ眼が充血して」と言った。

メニューを頼んでしまってから鏡を見に行った。

なるほど右目の白目の下側から目尻にかけて充血している。

それが生々しく「今出血している」という感じなのだ。

すでに昼になっているので医院は、もう昼休みになっているはずだ。

一旦帰宅して診察カードを持って受診することにした。

自宅で30分ほど寝転んだ。

立ち上がって鏡を見ると今までよりも出血量が増えていた。

でも痛くもなければ見えにくいこともない。

自分で運転して出かけた。

眼科は比較的空いていた。

問診の後視力検査をした。

裸眼では、老眼だから、もちろんボケて見える。

だが度の合ったレンズを通してみると右目で2.0が3個見え左目は1.5が3個見えた。

先生が「こちらを見てください」という方向にはアンパンマンのヌイグルミが壁に留めてあった。

先生は光を私の目に当てながら眼の奥を見る。

私には聞き取れないほど、ほとんど独り言のようにつぶやく。

たぶん看護師が、それを書きとっていたのであろう。

「右見て。床見て。左見て」と何度かの検査をした。 

結局何も問題はなかった。

消炎の点眼剤が出た。

薬剤師が説明も支払いも終わったあと

「どうしました?」と聞く。

「年っちゅうことだね」と笑って答えた。

私自身が鏡を見ても「こわーい」目をしている。

「このまま悪魔になっちゃうの?」とでもいうような目だ。

でも自分では見えないので良しとする。

体調は、すこぶる良いし眼が見えにくいこともない。

先生は普段通りの生活をされても結構ですという。

しかしこれは何かのサインかも知れないと思い今日だけは静かにしていようと思う。

といっても散歩を取りやめただけだが。

もちろん今日はアルコールを摂る日ではないから飲まない。

2週間ほどは「悪魔だぞー」と人を脅かせられる。



歩いて弁天島

2014-05-26 06:53:33 | Weblog
舞阪まで徒歩で4時間10分だった。

これは去年の4月のことだ。

ほぼ同じ場所まで再び歩いた。

徒歩の楽しみには食べ物屋を決めることも入る。

向かう方向の中で食べるものを探す。

今日のランチは刀削麺を食べることに決めた。

11時に出発して12時に少し前予定通り刀削麺にありついた。

麺の厚さに薄い厚いがあるため、その部分の食感が違う。

厚い部分のモチモチ感が心地よかった。

その後はコーヒーとケーキを求めて歩く。

しかし今日は問題があった。

お腹が張りっぽいのだ。

歩けば消化器系統が良くなることが分かっているのだが、なかなか実感できない。

いつものようにオナラを出すことができない。

オナラと一緒に個体もしくは液体が出てしまいそうなのだ。

何度か肛門を締めて出したい衝動を押し戻した。

とうとう、おしっこがしたくなり近くの葬儀展示場でトイレを借りた。

しゃがんで用を足すと「ここでよかった」と思う結果だった。

その後はメキメキ腹の張りが減り同時に「コーヒーとケーキよりビールかな」と思うようになってきた。

長時間歩くときの大敵は「飽き」だ。

前回の農道と違って今回は昔の風情を残した住宅地なので観察する場所はある。

しかし子供や老人が不審がってもいけないし小学校の周りには児童が大勢いるので気を使って歩く。

松並木の中で休んでいると散歩中の犬が私を静かに、でも確実に怪しんで観察している。

「怪しいかい?怪しくないんだよ」と犬に伝えたが「いやだやぁ。だめそんなに見ちゃぁ」とリードを持った老婆が答えた。

怪しむのは、むしろ老婆の真意であろうと感じた。

海辺が近づくと急に元気が出てきた。

道路下の水路にも海藻の類が流れに身を任せて揺れている。

鉄橋の下を歩いてみる。

潮は満ちているから海側から湖側に流れ込む。

橋から糸を垂れていた釣り人が何かを釣り上げた。

別の鉄橋に上りの新幹線が轟音と共に走り去る。

酒屋で缶ビールを買って砂地に降りてフタを開けた。

朽ちた舟に腰掛けて海の香りと青空と喉の渇きを癒した。

満足感が押し寄せた。

今回は所要時間を計らなかった。

青い野生ふたつ

2014-05-25 07:56:00 | Weblog
まずは、グルッと家の周りの様子を見るのが、春野でのいつもの行動だ。

家の南側のコナラ林を登っていくと鳥が見えた。

林を降りて道路沿いのガードレールに停まった。

「おっ。おおーっ」

青い背中だ。

オオルリのオスだった。

先日からオオルリのメスは何度か目にしている。

メスは特徴が少なく姿を、はっきり見ても「オオルリのメス」とは同定しきれずにいた。

だが、これではっきりした。

持っていたカメラをコナラに固定して撮った。

失敗。

ガードレールしか写っていない。

少し遠くに移動してしまったが、まだ写るかも知れない。

撮ってはみたが、これがオオルリのオスとは言えないものだった。

家の北側を歩いて降りる。

降りきった所の雑草の中にアヤメが咲いていた。

何年か前に一度そこで咲いているのを確認したが翌日花だけ喰われて、もうどこに咲いていたのか分からなくなった。

今年は何と3輪咲いていた。

鳥と違って逃げないから写真を撮りやすい。

ただし坂を転げ落ちないように注意を要した。





コアジサイ

2014-05-24 06:37:07 | Weblog
去年この花に気がついた。

山の中の地味な場所で光り輝いていたのだ。

木漏れ日が差し込み、ちょうどそれが花に当たっていたものだから驚ろくほどきれいだった。

さっそく写真を撮って図鑑で調べた。

だが分からない。

mixiの植物図鑑というコミュニティで教わって「コアジサイ」だと判明した。

山の中を探すと、けっこう点在していることがわかった。

それからは気をつけて草取りをするようにした。

あれから1年が経過し今コアジサイが、山のあちこちで花開いている。

花は紫色で先端は金色に光っている。

それらが複数集まってひとつの花を成している。

一つ一つが、くっきり見えるのではなく「ボワーッ」と全体をぼかすようにして青っぽく見える。

幻想的な美しさだ。

今の季節イチバン気に入っている。

私が植えたものではなく野生として生き残っている物の一つだ。

バリバリと何も気にせず草刈をしていた私に「こんなきれいな花もあるんだよ」と教えてくれた花だ。






桃の木温泉 オヤジ団

2014-05-20 06:47:26 | Weblog
午後4時集合で到着したのが4:00だったが少し不満が残った道中だ。

52号線は片側1車線しかなく前を走る車の速度に合わせて走るしかない。

過積載のトラックや老人の運転など次から次へと遅い車が私の前に現れる。

「渋滞はなかった」のは確かだが私の心は重かった。

3人で露天風呂に入っていると先に到着したO氏がウイスキーを持って登場した。

初めての極上経験。

露天風呂の中で楽しい仲間と冷たいハイボールをいただく。

山の緑と、まだ明るい青空が気持ち良い。

風呂の下を流れる川の音は露天風呂に流れ込むちっちゃな吐水口の音で消される。

夕食時これまた高級日本酒をいただいた。

純米大吟醸「獺祭」(だっさい)だ。

あまりたくさん飲まない人たちの中で、ほぼ独り占め状態。

「この美味しさは世界に通用する」

日本の良さを皆で確認し且つアピールの下手さも確認した。

何においても世界でダントツの国であることに合意して深い眠りに就いた。

翌朝3回目の露天風呂に入った後朝食までの間、川辺を歩いてみた。

川幅の割には水の流れている範囲が狭い。

河原にシカの死骸が2体あった。

生きている自然は、こんな死骸によっても感じられるものなのだと思った。

本日の予定は「その地域の野菜を買う」以外には別にない。

本栖湖方面に行くことにした。

甲府南IC近くから山道に入り同時に車の量が急増した。

精進湖の周遊道路に差し掛かると、ついに渋滞になった。

湖面で舟から気持ちよく釣り糸を垂れる人たちとは反対に差す陽が辛くオープンカーの悪い面ばかりが目立つ。

横を歩いて抜ける人たちが「カッコイイ」とか「こんな車が欲しい」と言ってくれるが、振り向いて笑う余裕もなかった。

本栖湖に到達する直前になって、この渋滞の理由が分かった。

「富士芝桜祭り」が開催されているのだ。

ここで団体行動をあきらめて帰路の方向に。

本栖湖の周りは、もう渋滞していない。

そこからは快適なオープンカーライフを取り戻した。

富士山が、きれいに見えて写真を撮りたくても、とにかく走っていたかった。

走れることが単純に嬉しかった。




ミツバチ巣箱2箇所目

2014-05-17 12:17:43 | Weblog
ミツバチの巣箱2箇所目を設置した。

友人のところに放棄された巣箱が二個あり私の師匠であるY爺さんが巣箱の管理をしたくなったということで全てを結びつけた。

巣箱は、もう6年間放置されたままで友人宅の奥様から「捨てて欲しい」と嫌われていた。

私が「お借りしたい」と言うと友人は待ってましたとばかりに「どーぞどうぞ」と言った。

中を開けてみると、どうやら一度もミツバチが訪れたことはなさそうだった。

誰かが枯葉や鳥の羽を持ち込んであったし雨が入り込んだあとも見える。

もうひとつの方は現在アリの巣になっていてアリの塊が2箇所見え卵もあった。

巣箱は消毒も兼ねてトーチであぶり、ミツロウを塗っておいた。

作成者は最後に2箇所目の入口の穴を開けたとみえる。

外から開けた穴だが木が裂けて穴の内側を少し塞ぐ形になっていた。

「これじゃ入りにくいよなぁ」

もうひとつの箱の穴はクモの巣が張っていてミツバチが入ろうとするとクモにやられてしまう。

屋根も簡易的に荷造りヒモで留めてあったのを木骨に釘で固定した。

基礎としてブロックを2個敷き、巣箱とは針金で固定した。

これで雨をしのぎ、強い風にも飛ばされず倒れず入居者には快適な生活を約束できる。

巣箱の前は元々棚田で現在はコナラの幼木が植えてある。

目の前を遮るものは何もなく直線で500メートルほどの視界が広がっている。

向こう側の山との間には気田川が流れていて穏やかな里山といった風情だ。

背中側は栗林で下草はきれいに刈り取られている。

「できたか?」

Y爺さんが自分の仕事を終えてやってきた。

「今完成しました」と私。

「じゃ設置するか」と一つを軽トラまで抱えて持っていった。

私も、もう一つを持ち上げ軽トラに乗り込んだ。

設置場所は、もうY爺さんが考えてくれてあった。

その場所まで軽トラを横付けし、あとは下ろしてブロックと固定するのみ。

「入ったかな?と私が管理しますで」

とY爺さんはニコニコして喋る。

設置が終われば、たいして管理することもないのだが。

Y爺さんに「希望」が湧いたことが見て取れた。

箱を貸してくれた友人にも「もし入ったらY爺さんと半分ずつ分けるから、それを俺と半分こしよう」と伝えてある。

彼や彼の奥様にも希望が湧いたはずだ。





隠れ家

2014-05-16 06:28:35 | Weblog
作業していると「ブーン」という大きな音が近づく。

スズメバチと同じくらい大きな音だ。

反射的に頭を低くして見上げるとクマバチ(クマンバチ)だった。

「これなら安全だ」と思って自分の作業に没頭する。

作業場所の辺りで頻繁に「ブーン」という音を聞く。

最近そのクマバチが何をしているかが判明した。

私の作った作業場に置かれている丸太に穴を開けていた。

つまり隠れ家を作っていた。

雨の当たらない場所にある丸太だ。

良い場所を見つけるものだ。

不動産屋さんを通すこともなく自己責任で適所を見つける。

作業所の骨組みである丸太と別の作業所に置いてある細めの丸太の2箇所に見つけた。

それぞれ2箇所ともクマバチが作業しているところを写真に収めさせてもらった。

彼らも一心不乱に穴あけ作業に没頭しているので近づくことは容易だ。

彼らは体が大きいので穴も大きい。

5円玉ほどもありそうな穴を開けている。

「隠れ家を造っているのだな」

と思ってみたが彼らにしてみれば「隠れているわけではないので隠れ家とは言うな」と言うかも知れない。

「棲家だ」

と言い直してみるが鳥や、その他の動物からは隠したいと思っていると考えるので少し隠れ家のイメージもあると思う。

先日杉の立木の中に生息するものを発見した。

草刈りをしていた時に偶然見つけた。

杉の皮に空いた穴の中に動くものがあった。

こげ茶色とベージュの色が変わる。

色の変化をずっと見ていたら最後にシッポらしきものがあった。

シロマダラという蛇で、たいへん珍しい種類らしい。

まだ生きている杉の木の中に生きた蛇が巣食っている。

杉の良い香りに満ち溢れ、暖かさと肌触りの良さを感じているに違いない。

こちらは紛れもなく隠れ家だ。

空いている穴の外から私が見ていることを知らない。

夜行性であるという奴は今眠りを貪っているだろう。

「邪魔しないよ」

大いに眠って欲しいと思った。





杉の薪

2014-05-15 07:17:43 | Weblog
ほぼ使わなくなった杉の薪を欲しいと言ってくれた人がいるのでもらってもらった。

屋敷の一番奥の石垣沿いに積んでおいたが薪を移動させるとき思わぬ生き物が出てきても困るので予め私が移動させた。

少しずつしか動かせないが、その方が好都合だ。

「すみかを破壊される」と感じた生き物たちにも移動する時間を与えないと。

農作業用の二輪車に薪を乗せて敷地の端から、これまた端にある駐車場まで運ぶ。

薪は一つ二つを持ち上げて何も着いて居ないことを確認して二輪車に乗せる。

ゴミが付いていればカンカンと二つを叩き合わせてから乗せる。

薪をどけると、その下に寝ていた動物が現れる。

クモは「サッ」と更に下の薪の下に隠れる。

ムカデは「アララ」と驚いてからスルスルと下に吸い込まれる。

カタツムリやその他の動きの鈍い動物たちは、そのままくっ着いている。

アリの巣が出てきた。

おびただしい数のアリの群れと木屑。

慌てて右往左往している。

トカゲは予めヨソに移動していたようだ。

石垣の全容が現れたが去年隙間にコンクリートを詰め込んでおいたので蛇は出なかった。

終わってみれば2時間が経過していた。

軽トラで持ちに来た。

「おっ。もう割ってあるじゃん。そのまま燃せる」と大喜びした。

全部が駐車場に用意されているから車を横付けして乗せるだけだ。

3人で15分で終了した。

荷台に山になってしまったのでシートを被せてロープで縛って走ってもらった。

「バンバン燃せる」と自作の薪ストーブを楽しむ彼は、まるで通帳に数字が増えたかのようなリッチな気分に浸っているようだった。

その気持ちの分かる私は少し良いことをしたような気持ちと無くなってスッキリした気分とを味わった。